U−19日本代表 - 韓国代表 その2

ロスタイム1点目
このチームが初めて1点を追わなければならない状況になった試合でしたが、大熊監督が4人FWを投入していたなんてサウジ語では分かりませんでした。
それにしても森本選手の突進と倒されてもシュートを打ちに行く気迫、GKが弾いたボールに追いついた平山選手の柔らかなボールキープと反転してのクロス、そして投入5分で結果を出した渡辺千選手、素晴らしい。


ロスタイム2点目
延長後半にまた韓国に勝ち越された日本ですが、後半ロスタイムに松木の声が聞こえたかゴール前に1人残っていた平山選手へ絶妙なクロスが入ります。平山選手の打点の高いヘディングシュートは韓国ゴールに吸い込まれるように入っていきました。あの高さがあると使いたくなりますよね。
最後まであきらめない日本チームと応援の松木さんの姿勢には本当に心をうたれました。


PK戦は残念な結果になりましたが、このチームの印象としては大熊監督の叱咤激励で戦わされている印象だったのですが、韓国に2度リードされるうちに、選手たちの闘争本能に火がついて心の底から戦っているように見えました。決勝には進めませんでしたがこの経験はきっと選手たちのこれからの財産になってくれることでしょう。選手たちが大熊監督を乗り越えて『俺たちでやってやるぜ、黙ってろよ』という強さを身につける第一歩になった試合かもしれませんね。


AFCユース選手権大会 準決勝 試合後の大熊清監督コメント

PK戦は今後検証の余地がある。順番を変えても、と思ったが、あいつ(増嶋)を中心にやってきているので。PK戦はやりたくなかった。韓国のほうが足がつっている人数が多かった


妙に冷静な森本君

後半の最後は韓国の足が完全に止まったんで、あそこで1対1を仕掛けたら行けると思った。
 でも延長になってから、左の苔口君と右の中村君が韓国のサイドを抑えるために引きすぎてしまって、日本の攻撃パターンがロングボール1つだけになってしまった。それでせっかくの勢いがなくなったんだと思う。


ちょっと混乱した指示を受けた渡邉千選手

延長に入った後は、個人的にはもっと相太さんの周りにいて、ゴールを狙おうと思ってました。でも、少し左ぎみに位置していたし、守備もやれと言われていたので、うまくゴール前に絡めなかった。


反省しきりの小林君

今大会は相太(平山)も本調子じゃなかったし、カレンも守備の負担が大きすぎたし、兵藤もケガがあった。だから中盤のポゼッションもほとんどできなかった。やれたのは後半と延長だけ。そのへんが反省点です。

韓日戦の視聴率17.2%

生中継があった韓国が勝って、地上波では録画中継しかなかった日本が敗れたというのは試合の放送に対する姿勢の差を考えると妥当だったのではないかと思ってしまいます。いいな、韓国のテレビ。

今月6日夜、KBS第2テレビで中継されたマレーシアのクアラルンプールで行なわれたアジア・ユース選手権(19歳以下)準決勝の韓日戦の視聴率が、17.2%と調査された。
(中略)
 特に、勝負が決まった延長戦の視聴率は26.1%に達した。17.2%は今年行われた日本とのAマッチ中、最高視聴率だ。

リスクチャレンジ

こちらでケットさんが2002以降の日本サッカーについて語られています。
2002トラウマから脱却しよう

2002トラウマから脱却しよう(2)

日本サッカー協会が前監督の影響か、または自国開催のワールドカップにおけるグループリーグ突破という結果に舞い上がってか分かりませんが、私も2002以降の日本サッカーは迷走を重ねているように思えてなりません。
例えば規定路線のようにU−23代表監督に就任した山本監督ですが、本当に相応しかったのでしょうか。あの時点で他の選択肢はなかったのでしょうか。また、今回のU−19の大熊監督にしても前回ワールドユースからの横滑り以外に選択肢はなかったのでしょうか。


もちろん、協会の中で就任を要請するに相応しいという評価がなされてのことでしょう。でも、外野から見ていると大熊監督はともかく、山本監督に監督としての実績があるようには思えませんし、U−23とはいえ代表監督に就任させる目的がサッカー的には理解できません。
そう、サッカー的な理由以外になら、政治的理由で近い将来に日本人の代表監督を作りたいという目的はわかります。


で、協会に求めたいものがリスクチャレンジなのですよ。現在のようにサッカー監督経験がない人物に代表監督をさせるようなリスクチャレンジではなく、今の日本サッカーに足りないものを冷静に分析してそれを持っている外国から積極的に学ぶ姿勢、外国人監督を招聘するにともなって発生するリスクに積極的にチャレンジしてほしいですね。もともと閉鎖的な日本社会ですから、同じ日本人同士で馴れ合いでやっているほうが安心できるのは本当に良く理解できますし、例え外国人監督でも『日本を良く知っている人』に頼む方が安心でしょう。
でも、日本のサッカーはまだまだ日本の中だけで完結できるようなレベルでもないし、欧州や南米を見ても監督や選手の交流が盛んだからこそマンネリに陥らないのではないかと思うのです。今の日本サッカーには外からの強烈な刺激が必要なのではないでしょうか。少なくとも『ワールドカップ出場を逃す』、というような強烈な刺激は勘弁して欲しいです。


残念ながら韓国には敗れてしまいましたが、ワールドユース出場権を勝ち得た今こそこの年代に足りないもの、この大会で足りなかったものを冷静に分析・評価して、ワールドユースに向けた準備をして欲しいです。ユース世代の代表監督を協会の仲間内で持ち回りをしているようでは、冷静な分析や評価はできないでしょうから、プロとして監督を選び、プロとして評価をして欲しいですね。この世代に足りないものは何か、今の日本に足りないものは何か、それを指導・育成できるプロコーチはどこにいるのか。多少年俸が高くたって日本サッカーの将来に対する投資だと思えばやれるはずですよね。
もちろん監督就任を要請する協会側にも、今よりももっと責任を明確にし、その監督を就任させる目的をはっきりと表明して欲しいですけれど。

佐野元春 & HKB  THE SUN TOUR 2004-2005

佐野元春さんのライブに行ってきました。大宮ソニックシティは満員ではありませんでしたが、とても濃密な時間を過ごすことができました。全国ツアーですから、これから見に行く方もいらっしゃるかもしれませんのでネタバレになるような事は書きませんが、楽しかった〜。


元々、元春さんがもう昔のように声は出ないので歌える曲にも限りがあるというのは分かっていましたから、どんなライブになるのかちょっと不安があったのですが、そういう全てを吹き飛ばすパワーのあるライブでした。歌手として歌がうまいことは素晴らしいことだし、声が綺麗に出ることは素晴らしいことですが、アーティストとして会場にいるオーディエンスに想いを伝える力というのは、歌がうまいとか声が出るとか以外の何かがあるんだなとあらためて感じた夜だったですね。
ある曲のサビの部分では明らかに声が出ないのですが、その部分をオーディエンスが思いっきり歌う、何ともいえない不思議な一体感がありました。一つの曲とその時間を両者で創りあげているのです。


最新のアルバム『THE SUN』に収録されている曲もライブで聴くとこんなに迫力があって盛り上がる曲なんだと思った意外な曲もあったし、昔からのオーディエンスにはたまらない曲、もう”パブロフの犬”状態でイントロを聴いただけで小躍りしてしまう曲もありました。古くからの名曲の演奏で歌い手と聞き手の呼吸が、もう阿吽の呼吸と言えるほど噛みあった瞬間は言葉では表現できません。
いいホールがあって、素晴らしいアーティストがいて、彼を愛するオーディエンスがいる。この3つが揃った時のその空間に満たされるパワー、その場が持っている雰囲気というものは、もう口では表現できない世界ですね。


すぐそこに本物の佐野元春さんがいて、生で歌ってくれる。本当にそれだけで幸せです。悲しい曲じゃないのに涙が出てくるんですよ。佐野元春さんと同じ時代に生きて、彼の曲を聴けた、自分の人生の中でこんな時間が持てたことを感謝したいです。


THE SUN (初回生産限定盤)

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