ラトビア戦、後始末

ラトビア戦後 選手コメント スポナビ

松井大輔ル・マン

(出場してみて)まだ足りないところが分かったので、そこは今後につなげたい。具体的には、パスとドリブルの判断、攻撃のバリエーションももっと増やしていきたい。もっとボールに触ることができた。もらう動きも少なかったので、うまく絡めなかった。
(中盤では)どっちかが上がれば、どっちかが下がるとか、守備についても意識した。どういうときに攻撃していいのか、よく分からなかったけれど、(中田)ヒデさんからは「行くときには行っていい」と言われた。

このコメントの中の『どういうときに攻撃していいのか、よく分からなかったけれど、…』の部分が、チーム作りの基本のなさを物語っていると解釈したら悲観的にすぎるのでしょうか。『守備についても意識した。』というコメントもありますが、中盤に攻撃的な選手ばかりを並べて守備にも高い意識を持たせて選手にバランスを取らせる方法と、中盤に最初から守備意識の高い選手(戸田選手とか今野選手のタイプ)を入れて監督がバランスを取る方法、どちらが本当に攻撃的な布陣なのか考えてしまいます。

坪井慶介浦和レッズ

(失点シーンは)相手にスピードがあったので、対応が難しかった。(自分が投入されたときは)ゲームがまだ落ち着いていなかったので、入りづらかった。(3バックで行くことについて)ゲームを落ち着かせるのが目的だったと思うけれど、自分はあまりボールさばきがうまくないので……。

監督の投入の意図と選手の適性がマッチしていない交代とも思えますね。同時に投入された三都主選手の役割は守りきるための用兵だったのか、追加点を取るための用兵だったのか。ナビスコ直後のコンディションの問題は割り引くにしても、監督の意図は分かっても効果の伴わない選手交代でした。


ラトビア戦後 ジーコ監督会見 スポナビ

厳密に言えば、ワールドカップへの準備というよりも、選手のゲームの中での動きを見てみたいというのは(目的として)多分にあった。だから、本当の意味でのワールドカップへの強化ということで、足りないところを強化していくのは来年になると思うし、

まだチーム作りではなくて、選手選考の段階と言うことですね。準備は来年に入ってからなのでしょう。

――あの時間帯で3バックにした理由は

 中盤でボールを取られる場面が見られて形成が悪かったので(中盤を)1枚増やした。センターバックについても、かなり負担が大きくなっていたので、これも1枚増やそうというのが目的だった。

――ディフェンシブにしたのに、さらに崩れてしまったが

 耐えようと思えば耐えられたと思う。ただ、ミスがらみというか、あそこでミスがなければこのスコアにはならなかった。(サッカーとは)デリケートなスポーツなので、(相手が)1点でも取ってしまうと、向こうに勢いが生まれてこっちがアップアップになってしまう。そういう非常にデリケートな状況だった。フォーメーションで崩されたのではないと思う。

確かにフォーメーションが失点を生んだわけではありません。しかし、選手の適性や個性、ぶっつけ本番に近い守備ブロック(3バックと2ボランチの組み合わせ)など、失点の原因を個人のミスだけに求めてしまうのもどうかと思います。相手がプレッシャーをかけてきたときのDFライン周辺でのボールの動かし方や、相手のプレスからの逃げ方。これらはアドリブというよりは練習での共通理解から生まれて、頭で考える前に体が動く状態にしておかないと、試合終盤の体力の消耗が激しい時間帯に同じような個人のミスが再現される可能性は高いと思いますが、これも心配のし過ぎでしょうか。


あのパスミスを個人の責任ということはできます。しかし、毎回そのようにしていたらチームとしてどのようにそれを防ぐかについては一向に進歩しないし、教訓の蓄積も生まれない。チームとしての上積みが生まれないことは非常に残念です。