前日監督会見

またまた、含蓄のある言葉ですね。
モンテネグロ戦前日 オシム監督会見 スポナビ

――中田と稲本は合流して間もないが、いきなり使えそうか?

 さきほど間接的に申し上げたのだが。私の知る限り、キリンカップは2試合ある。ここで出す、出さないと約束しておいて、自分の手を縛ることはしない。

まあ、普通の監督なら当たり前の受け答えですが、少しひねりのある受け答えなんですよね、いつも。
「今は何とも言えない。」というような、素直な答えはしないから、この受け答えでカチンとくる底の浅い記者もいるんだろうなと心配してしまいます。


また、モンテネグロという国についての質問はどうしても歴史や様々な問題が絡んできてしまうので、非常に答えにくい質問なのだろうと想像してしまいます。

――あなたは今は亡き国の代表監督だったわけだが、そのことをどのように感じているか?(モンテネグロ人記者)

 私は生き残った。それだけだ。どう生き残ったかは別の話だが。

――事前に情報がないチームと対戦することは、選手にとってどう影響するか?

 これこれのやり方で来ると、はっきりとは言えない。試合中に対応しなければならない。つまり、選手たちが自分の頭で対応できるかどうかが大切だ。試合が始まってからでないと分からないことは、選手だけで解決しなければならない。監督も選手も対戦相手に関する情報がない場合、自分たちがどういうやり方でプレーするか、試合前の合意、そして試合中の変化、それをいかに使い分けることができるかが重要だ。実際には、試合が始まったら、ベンチよりも選手の方が相手に近いのだから、選手が判断する方が容易だと言える。しかしそうした能力というものは、短い期間で身に付くものでもない。それは私の考えだが、どんな条件でも有効なサッカーの特効薬を誰か発明してほしいものだ。そういう方法があれば素晴らしいのだが……。

これも当たり前のことだと思うのですが、『試合前の合意、そして試合中の変化、それをいかに使い分けることができるかが重要だ。』という部分はいろいろと考えさせられます。これって、普通の一般生活でも同じですよね? あらかじめ予想できて対処方法を考えられることや突然の出来事など、これがきちんと使い分けられる人が”大人”なんだろうと思ってしまいます。

日本 - モンテネグロ

日本テレビの中継は、まるで字幕スーパーの押し売りですね。うんざりします。サッカーを見たくて我慢して日本テレビを見ているのであって、大学生の野球には興味ないから。仕事の関係で現地には行けなくて、速攻で切り上げてテレビ中継を見たときに日本テレビの中継クオリティだととてもがっかりしてしまいます。


さて前半が終わりました。「モンテネグロのコンディションやチームの熟成度はどうなんだ」、という部分がありますが、それを差し引いても日本のチームとしての熟成が少し進んでいるように感じる前半でした。特に中央でためてためて(詰まって詰まってか?)右サイドに振ったときの駒野選手のクロスがいいですね。一人でも突破できるし、守備時のスピードもある。2点目の高原選手の得点のうち、半分の0.5点は駒野選手に記録してあげたいです。もちろん、斜めに走りこみながらあの角度でのヘディングを決めた高原選手も凄く良いのですけれど。


それと前半のモンテネグロのように引ききっている相手に対しては、山岸選手のような運動量のある動きが効果的ですね。前線が引いても中盤が上がっても相手のバランスが崩れない時に、山岸選手のように斜めに長距離を走ってくる動きがとても新鮮に感じます。ちょっと前の山岸選手が動くせいか左SBの阿部選手が自重気味なのがもったいない気もしますが、オシム監督が山岸選手を使いたくなる気持ちが分かるような気もします。


中沢選手が「見に来なかったことを後悔させる良い試合をしたい」と語っていたとのことですが、行けるものなら行きたかったですよ、鰻も食べたいし。でも、1日の試合開催ってのは厳しいんですよ。


さて、その試合ですが、前半だけだったら本当に中沢選手が語るように見に行かなかったことを後悔するような試合だったのですが、後半はちょっといただけませんでした。先行されてペースを上げてきたモンネネグロに対し、だんだんと足が止まってくる二本。特に中盤中央の選手の足が止まったり判断が遅くなったりすると、途端に手詰まりなサッカーになってしまいますね。静岡地方は南風で湿度も高いようで、運動量を要求するサッカーにはきついコンディションだったようですが、それを差し引いても後半の停滞はいただけませんでした。交代で出場した選手を有効に使うでもなく、人が動くでもなく。中村憲、遠藤両選手の停滞とともにチームも停滞してしまったような印象でした。


最後に巻選手が入ってから、前線でのはっきりした動き出しと相手への前からの守備でチームに芯が通ったようになり少し日本の攻撃が活性化する時間もありましたが、失ったペースを取り戻すほどでもなかったです。
タイトルのかかった試合とはいえ、キリンカップキリンカップですから結果をどうこう言う試合ではないと思いますが、それでもきっちりと勝ったことは良かったです。PKの場面は鈴木選手の相手へのCKのプレゼントや、そのCKでの相手マークをドフリーにしたり、その上での高原選手のファールという日本からモンテネグロへの最大級のスペシャルプレゼントでしたが、失点には至りませんでした。本当はあそこで1点差になったほうが試合は盛り上がったのかもしれませんが、まあまだ5日の試合もありますし、今日の課題は5日に持ち越しということで。


あーあ、静岡に行きたかったなぁ。鰻を食べに(涙)。