五輪SF イタリア - アルゼンチン

いや、面白いですね。ユーロでは感じなかった欧州vs南米の香りがする見ていて楽しいサッカーです。
試合開始から5分もするとこれは絶対面白い試合になるよね、と見ている人たちに期待させるサッカーですね。まるでつまらない映画は15分で飽きるけど、面白い映画は5分でストーリーに引き込まれるかのようです。


イタリアは縦に早いボールの動きからジラルディーノを活かし、またジラルディーノも意表をついた動きやボールコントロールからチャンスを作ります。ただいかんせん、ゴール前に人数が少ないですよね。ピンポイントのボールがピタリと合うか、セットプレーじゃないと得点の予感は感じないかな。
対するアルゼンチンは人とボールが活発に動き、いつのまにか相手のゴール前にテベスをはじめアルゼンチン選手が揃っていますね。アルゼンチンのボールと人の動きは、まるで1秒後の相手選手と味方選手の位置を予測して空いているスペースをみんなで有効に使っている、名人のチェスや将棋のように2〜3手先を読んでいるかのような動きですね。あれだけスムーズに人やボールが動くと本当に見ていて楽しいです。


湯浅健二さんの言う、

チーム全員が、攻撃と守備についての共通の理解と、共通のイメージをもち、流れるようにプレーが連動しなければ、美しく、強いサッカーなど望むべくもないということだ。

というテーマの一つの答えを見せてもらっているかのようでした。
前半の45分間があっという間でしたね。


それにしても久保純子中居正広(あえて呼び捨てる)、事実上の決勝戦と気安く言うな。過去の実績で考えればそうかもしれないけれど、ユーロでギリシャの優勝を誰も予想できなかったように、もしかしたらイラクが優勝するかもしれないじゃないか。


後半開始からイタリアも選手を代えて攻撃的にいきますが、アルゼンチンもその前への力をうまく受け止めてしまいます。前半ほどのアルゼンチンペースではありませんが、イタリアも攻撃のペースを握れませんね。アルゼンチンとイタリアの攻撃を比べた時に、攻撃が手詰まりになった時にイタリアの方が選手の動きなおしが少なく感じます。南米選手権を戦ってきたチームということで、アルゼンチンの方がチームとしての熟成が進んでいるのでしょうね。


後半の45分間は前半よりもちょと長く感じましたが、それでも面白い試合でした。
今さら日本と比べてもしょうがないのですが、どちらのチームもOA枠の使い方がうまいですね。日本も監督の選び方とOA枠の使い方を間違わなければ、もう少しまともな戦いができたかもしれないと思うと悔やまれます。