UAE戦後の会見

試合を見に行って、負けた瞬間も不思議なほど腹は立ちませんでした。まあ、新潟のペルー戦よりは内容もあったし、そもそもこのチームではこんな戦いになるのは予想できてたし。負けて欲しいとは思いませんが、こういう負けはあるだろうと常に思っていますから、ブーイングなんて気持ちは、特に選手たちにはまったく起こらないのですよ。
でも、このコメントやら会見やらを見て、無性に腹が立ちました。


「気迫が感じられない」川淵会長

とにかくチーム全体から気迫が感じられない。気持ちを立て直して、積極的にやってくれるように望む。中盤でリズムもできてきているが、ゴール前に詰めるときの迫力が足りない。相手をしっかりと捕まえることもできていない。

はあ? 
一番気迫が感じられないのは、あなたの選んだ監督でしょうが。少なくとも前任のフランス人は顔を真っ赤にしてピッチサイドで怒ってましたよね。今のブラジル人は虚ろな目でピッチを見ているだけじゃないですか。笑わせるようなこと言わないでください。選手がやっていないとでも思っているのですか。選手の能力を発揮させたり、仕事をシンプルに整理するのが監督の役割であり、チームが機能しないのは監督の責任でしょう。
会長はサッカー関係者だから、UEFA CLの決勝とか見てますよね。あそこで、リバプールの選手の気迫は前半と後半で変わりましたか? 前半は選手の気迫が足りないから3失点して、後半は選手に気迫があったから3得点したと思っているのですかね。笑っちゃいますよ、あなたが日本のサッカー界の最高責任者だということに。


UAE戦後 ジーコ監督会見

――13本のコーナーキックがシュートに結びつかない。バーレーン戦に向けて(戦術を)隠したからなのか

その対応策としては、やはり練習の反復によって精度を上げるしかない。それは選手たちも理解している。武器であり、点を取ってきたのだから、その精度が上がればもっといけるという期待や自信も選手たちにはあるし、伸ばすことでひとつの武器として保持していきたい。

はあ?
元々シュートに精度のない日本人選手の代表チームの監督なのですよ。確かに選手のシュートは枠に飛ばないけれど、何もそれは今に始まったことじゃない。歴史的にも枠に飛ばないのですよ。その選手たちを集めて代表チームを作って勝つのが監督の仕事なのです。
ブラジル人だったら、精度が高いから入るのに、日本人は精度が低いから得点が取れない。だからシュート練習と考えているのでしょうが、Jリーグが始まって13年、それ以前から日本人選手の精度は低いのに、合宿で2〜3日シュート練習して入るようになると本気で思っているのですか。
考え方は2通りあると思います。1試合で放つシュートの本数を増やさずに精度を上げるか、シュートの精度はこのままで1試合のチャンスを増やすか。チームとして試合をする中で、どちらが結果が出ると思っているのでしょうか。高い位置でボールを奪い、相手を素早く崩して守備が整う前にシュートを打つのか、後ろで手数ばかりかけて、相手の守備も人数も揃っているところでシュートを打つのか。日本人はブラジル人ではないのだから、どちらが効率が良いかは自ずと答えが出ると思うのですがね。


これは昨年の代表スケジュールに文句を言った時にも感じたことなのですが、クラブが早期召集に応じないからチームを作る時間がないと責任逃れをしていましたが、そんなことは最初から分かりきっていることなので、そのような悪条件の中でチームをつくることが最初から監督の仕事なのですよ。シュートの精度が悪いから勝てないのではなくて、シュートの精度の悪い日本人のチームで勝つことがあなたの仕事なのですよ、監督。


これと同じことは守備でも感じます。カウンターが怖いから下がって守る。一人余って守る。ブラジル人なら相手の攻撃に守備側が勝てるのでしょう。でも、守っているのは日本人選手なのですよ。下がって守ることが良いのか、押し上げてコンパクトにして、相手の攻撃のボールの出所にプレスをかけてボールを出しにくくするのが良いのか。守備のカウンター対策もブラジル基準で考えていないですかね。日本人が守って試合に勝てるようにチームを作ることが日本代表監督の仕事なのです。


最終予選が不安だらけの戦いになることは、1年前に監督を解任できなかった時から分かっていましたから、今さら何も慌てません。それよりも、選手を固定して戦ってばかりいて大事な時にその選手が怪我で使えないとか、予想していたことが予想通りであることが憂鬱ですらあります。私は別に監督を解任したいわけじゃない。ただ、強い日本代表が見たいだけです。でも、このままではアウェイ2連戦で勝ち点をいくつ取れるのでしょうね。
最悪の場面を想像したときに、バーレーンに負けて3位に転落しても解任はしないですよね。次の北朝鮮にも連敗すれば解任でしょう。引き分けて、最終戦に全てが託された時にどうなるのでしょうか。10日もしないうちにコンフェデが始まるのですよね。
個人的にはバーレーンに負けた時点で3連敗ですから、解任した方が良いと思いますが、中4日で誰がつなぎの監督をするのかという問題に突き当たります。川淵会長の英断によって突き落とされた日本代表の底なし沼ですから、川淵さんに答えを出してもらうしか方法はないと思いますが、昨夜の試合の敗因を選手の気迫に求めているようでは判断能力がないとしか思えません。
こんな心配が杞憂に終わり、2連勝で本大会出場を決めてくれることを願ってはいるのですが、試合よりも会長と監督の認識が怖すぎます。