盗まれた日本代表

このようなタイトルで宇都宮徹壱さんが、エルゴラッソ092号でコラムを書かれています。読めないエリアにご在住の方もいらっしゃると思うので、一部引用させていただきます。


盗まれた日本代表

(キリンカップ2連敗は13年ぶりということで)

だからといって、ここで「日本代表の質は13年前の水準に退歩した」などとは言うつもりはない。しかしながら、栄えあるキリンカップが時代の変化とともに「親善マッチ」となってしまったのと同様、日本代表という存在もまた、13年という年月の間に変質し、いつしか自分たちの夢や歓喜を投影できる存在から遠く逸脱してしまったように思えてならないのもまた事実である。実際、私の周囲では日本代表に関する楽しい話題(ギャグのネタとしてでなく)がほとんど聞かれなくなってしまった。


確かにメディアやCMでの代表の露出は年々増加している。だが、それに反比例して現実の代表は、サッカーファンの心から、どんどん遠ざかってはいまいか。加えて、ライトな客層ばかりを優遇してきた結果、最近の代表戦の空気は、ジャリタレのコンサートのそれと変わらなくなってしまった。

(中略)

昨年の対イラク戦以来となる国立での代表戦ということもあって、スタンドの応援も十二分に気合が入っていた。にもかかわらず、結果はあの体たらく。日本サッカー協会の”偉い人”たちは、試合後のブーイングの意味を、どこまで理解していたのだろう。


ミヒャエル・エンデの『モモ』に登場する「時間どろぼう」さながらに、われわれの代表はいつの間にか何者かによって盗まれてしまった。夢も、歓喜も、栄光も、そして誇りも…。もちろん盗まれたものは、キッチリ取り戻す必要がある。だが、今はまだ、その時ではない。まずは、ドイツへの切符をもぎ取ること。すべてはそこから始まる。言いたいことは山ほどあるだろう。憤懣やるかたない思いでいっぱいだろう。だが、今はつべこべ言わず、とにかくマナマとバンコクへ向けて、フルパワーで魂を送るしかない。
宇都宮徹壱さん)

本当はどこも略したくない文章なのですが、少なくともエルゴラッソが様々な事情で読めない方にも読んでいただきたく、一部引用しました。
私も言いたいことは山ほどあります。ここで書いていること以上に思うこともあります。でも、今のタイミングで監督や協会の変化があることよりも、このアウェイ2連戦の短期決戦の中では最悪の選択と分かっていても現在の体制でいくしかない(いったほうがいいという意味ではない)と思っています。


バーレーン戦まであと4日、どんなことを書いても思っても、結果はなるようにしかなりません。だとしたら、選手を信じて、力の限り選手を応援するしか手はありません。この2連戦で何かあったときは、分かってますね、協会の”偉い人”。