浦和 - マンチェスターユナイテッド

helguera2005-07-30

埼玉スタジアムに行ってきました。
最初は行くつもりではなかった試合ですが、国立での鹿島戦を見ていたらマンチェスターユナイテッドの真剣さに惹かれて急遽スタジアムに行ってきました。今日の埼玉地方は午後には強い雨の夕立があり、試合開始前には雨は上がっていましたが気温の高さともあいまって不快指数は120%というようなコンディションでした。


で、今日の浦和戦のマンチェスターユナイテッドのスタメンですが、このようなものでした。

GK 19 エドウィン・ファン・デル・サール
DF 28 ジェラール・ピケ
DF 2 ギャリー・ネヴィル
DF 27 ミカエル・シルヴェストル
MF 18 ポール・スコールズ
MF 24 ダレン・フレッチャー
MF 23 キーラン・リチャードソン
FW 8 ウェイン・ルーニー
FW 9 ルイ・サア
FW 14 アラン・スミス
FW 42 ジョゼッペ・ロッシ

ちなみに2日前の鹿島戦では、こう。

GK 1 ティム・ハワード
DF 2 ギャリー・ネヴィル
DF 3 フィリップ・ネヴィル
DF 5 リオ・ファーディナンド
DF 22 ジョン・オシェイ
MF 7 クリスチャーノ・ロナウド
MF 15 クレベルソン
MF 17 リアム・ミラー
MF 31 デヴィット・ジョーンズ
FW 9 ルイ・サア
FW 11 ライアン・ギグス

見事なターンオーバーですね。真剣度が少ない試合ならほぼ同じスタメンというのもあるのでしょうが、2試合連続スタメンの選手はギャリー・ネヴィル選手とルイ・サア選手の2人だけでした。日本のこの気候と、シーズン開幕までの残り日数を考えればターンオーバーは見事なのですが、スタメンを見た瞬間、『失敗した、鹿島戦に行けば良かった』と思ったのは秘密です。


試合については前半の45分間は両チームとも慎重な立ち上がりというか、停滞状態の45分間でした。浦和はまず守備を固め選手のポジションを崩しません。マンチェスターユナイテッドが基本的には優勢に試合を進めているのですが、得点の気配はまったく感じられず、シュートや見事な突破などでスタジアムがわくような場面が少なかったですね。


そんな膠着した前半でしたが、それでも両チームの持ち味の違いは感じられました。浦和はボールを中心に見たときに、ボールを持っている選手とサポートに入る選手の距離が、時間があってもさほど変わらないのです。しかしマンチェスターの選手たちはボールを持っている選手にまわりの選手がすぅっと集まって来て、ボールが動くとぱぁっと散っていく。常にボールのまわりの選手が足を止めることなくポジションを変えて、相手の選手がボール方向を見ているうちに、オフザボールの動きでフリーで受けられる選手が多数生まれるのです。
マンチェスターユナイテッドの各選手たちのボールを扱う技術も高いのですが、それと同じくらいボールを受けるための技術というか努力を欠かしていない動きが感動的でした。このような動きがまわりにあるから、ボールを持った選手のパスコースが多数あるのですね。


そんな停滞した前半が終わり、後半開始から複数の選手が交代したことで試合は劇的に変化します。
サッカーはチーム戦であり、複数の選手がお互いの意図を汲み取って見事な連携プレーを見せるときが最高だと思っているのですが、クリスチャーノ・ロナウド選手のような存在はそんな概念を簡単に吹き飛ばしてしまいますね。1対1は必ず仕掛けるし、必ず抜いていく。1対2の不利な状況でも仕掛ける。3人いても仕掛ける時もあるけれど、3人以上いたらボールを話す感じかな。でも、常にCロナウド選手が浦和の守備に対して仕掛けることで、前半は崩れなかった浦和の守備のバランスが崩れ、Cロナウド選手が仕掛けたまわりや反対サイドで明らかにマンチェスターユナイテッドの選手がフリーになるのですよね。Cロナウド選手の突破で有利になるだけでなく、その周辺でもチームがどんどん有利になるのですよね。このような選手がいるだけでどれだけチームが有利になるのか、前半と後半の比較で如実に分かりました。
マンチェスターユナイテッドの2点目の場面でも、シュートを決めたルーニー選手の外側にフリーでCロナウド選手がいることで、浦和の選手の意識が分散することは否めないのでしょう。何だか1人だけ別世界にいるようで、数年前のジダン選手のプレーを見ているときのようなワクワク感を味わっていました。


試合の結果については、浦和は代表等で欠けている選手の穴を埋めるには薄い選手層になってしまいましたね。いなくなった選手について考えてもしょうがないのですが、山瀬選手やエメルソン選手やアルパイ選手がいたら、代表や怪我で選手が欠けてももう少し試合になるのでしょうね。ただ、後半出場してきた新加入の選手たちがどの程度やってくれるかという期待は持てますね。特にポンテ選手はもっと見てみたい選手でした。


これでマンチェスターユナイテッドの日本ツアーも1勝1敗ということで、面目は保てましたね。今日の試合では「勝つ」ということにかなりこだわりがあったようで、試合終盤にはかなり浦和の選手に対してのラフプレーもあり、とても親善試合とは思えない雰囲気でした。判定の微妙なニュアンスはスタジアムでは分からなかったのですが、かなり判定にもイラついているようでした。主審が柏原丈二さんと発表された時に、『親善試合にもかかわらず退場者発生か?』とか思っていたのですが、幸いにもそのようなこともなく、ルーニー選手の見事な2ゴールで幕を閉じました。
うーん、青いユニは違和感があったなぁ、やっぱり国立だったのかなぁ。