東京ヴェルディ - 大宮

helguera2005-08-21

国立霞ヶ丘競技場に行ってきました。
今日はヴェルディと大宮という人気薄のチーム同士の対戦なので国立周辺はガラガラだろうなんて油断して行ったのですが、近づくと人が沢山いて予想と違う。今日は無料招待でもあるのかとも考えましたが、どうもサッカーを見に行く雰囲気ではないのですよね。どうやら神宮球場阪神戦やっているらしく、逆に球場に行く人たちに、「今日は何かサッカーの試合あるのかな」と言われる始末。まあ、好きなものが違えばお互いすぐ近くで試合があっても、関心がないものなのですねぇ。


そんなスタジアム外の喧騒にも左右されることなく、相変わらずヴェルディ主催ゲームは集客が厳しいですね。特に相手チームも集客力のないチームだと、国立で日曜開催とはいえ非常に閑散とした雰囲気になってしまいます。結局今日の観衆は 7,046人と、1万人に届かなかったです。何で観衆が集まらないのかと考えていたのですが、メジャーなスター選手もいない上、チームの成績も悪い。大宮サポを 1,500人と見積もっても、ヴェルディ単独で集められるのは 5,000人ぐらいなのでしょうか、厳しいです。


さて中断前に悪夢の6試合を経験したヴェルディは、中断期間の親善試合で2連勝したものの真剣勝負での結果はまた別物ですし、監督は新監督で未知数ですし、新しい選手も先発しています。

GK 21 高木 義成
DF 5 米山 篤志
DF 4 林 健太郎
DF 3 戸川 健太
MF 2 山田 卓也
MF 8 小林 大悟
MF 6 戸田 和幸
MF 7 相馬 崇人
FW 11 平本 一樹
FW 10 ジウ
FW 9 ワシントン

試合開始直後にヴェルディの3バックの並びを確認していて気がついたのですが、今日のスタメンはGK以外のフィールドプレーヤーが見事に2番から11番の背番号の選手が並んでいるのです。何だかJ開幕の頃の固定背番号制の時代を少し思い出していたのですが、そんな感慨に耽る暇もなくヴェルディに先制点が訪れました。


今日のヴェルディは左から戸川、林、米山選手の3バックに左に相馬選手、右に山田選手、中央を戸田、小林選手で固め前線はジウ、ワシントン、平本選手の3トップでした。試合開始から戸田選手と小林選手のボランチが相手の攻撃の芽を摘み、3バックは積極的に前に出て大宮のボールをカットし、攻撃になると左右のサイドが前線に進出し5トップ気味になり、中央の3トップは短い距離のパス交換を繰り返しながら密集を抜けていく。何だか、『ヴェルディ、強いじゃん』と思わせてくれるような立ち上がりでした。前半9分の先制点は中央の密集を短い距離のパス交換で突破したものでしたが、この得点の場面以外にも、前半には相馬選手がかなりアーリークロスでDFとGKの間に早いボールを送り込んで見たり、中央を突破しようとしたりと、攻撃のバランスが良かったのです。前半を見ているだけなら大宮に得点の気配は感じられず、ヴェルディの追加点が生まれるのは時間の問題といった雰囲気でした。でも、結果的にはここで追加点を奪えなかったのが大きく響きましたけれど。


対する大宮は怪我人や移籍でかなりの主力を欠いて満身創痍という状態です。昇格1年目にも関わらずナビスコ杯で予選リーグを突破したことで、逆に中断期間中にも横浜FMとの真剣勝負の2試合を強いられました。
その中での今日の試合で、押されっぱなしの前半でしたから後半はどうなることかと思って見ていましたが、三浦監督はハーフタイムの指示で、「中盤のプレッシャー厳しくいこう」と言っていたのですね。その指示通り後半のヴェルディは前半あれほどまわっていたボールがめっきりつながらなくなり、大宮にボールを奪われてカウンターという場面が何度も訪れましたが大宮の攻撃も詰めが甘く失点までには至りません。


この時間帯のヴェルディの攻撃は、悪い時の再現で追加点が奪えないことと主審の判定に対するイラつきからか、攻撃がすべて中央に固まってしまい、人数をかけて短い横パスをつなぐ割には前に進めず大宮にボールを奪われて、奪われた時にはヴェルディの選手間の距離が近いので一気にヴェルディ選手が5人ぐらい前線に置いてきぼりにされて、守備陣は数的同数で対処する場面ばかりでした。前半の良い時間帯は中央からの攻撃とサイドからの攻撃のバランスが良かったのですが、後半は中央ばかりにこだわった為、大宮の守備も予測して守られてしまい簡単にボールを奪われる場面が多かったと思います。右サイドの山田は何度もフリーで上がっていましたが、ほとんど使われることもなく、たまに使われた時はかならず惜しいクロスを上げたり中に切り込んだりしてチャンスを広げているのだからもっと使えと何度思ったことか。ヴェルディのこのスタメンだと、中央からボールをワイドに振れる選手が見当たらないのかな。前半はジウ選手や小林選手が意識的に散らしていましたが、後半になって体力的にきつくなるとヴェルディの本能と言うか、中央攻撃ばかりになります。監督も嘆いてますね。


『やばいなぁ』と思い始めた後半30分過ぎ、大宮のサイドからのクロスに中で防ごうとしたDFが見事に合わせてしまいオウンゴールで同点となってしまいます。大宮のFWには迫力がなく得点の気配は感じられなかったのですが、まさかオウンゴールとは予想もできませんでした。まあ、この時間帯はヴェルディのFW陣にも得点の気配が感じられなかったのですけれどね。
前半から飛ばしたヴェルディは、すでにここから盛り返す力はなく試合は引分けに終わりました。ヴェルディから見れば負けに等しい引分けだと思いますが、後半の30分過ぎには後ろの選手にも攻撃参加する力はなく、再度リードを奪えるような雰囲気は感じられませんでした。後半36分に町田選手を投入して右からのクロスで惜しい場面もあったのですが決められず、また終了間際のワシントン選手も枠を捉えられず試合終了です。


後半のヴェルディの選手たちは大宮とよりも審判と戦ってしまいましたね。今日の審判はセンターサークル付近のファールには笛を吹くのですが、ペナルティ付近のプレーには怖くて笛が吹けないようでした。副審からファールをアピールすることもなく、あれなら呼び方を昔の線審に戻した方が良さそうです。まあ、オフサイドの判定が変わって、選手がボールに触れてから旗を上げるのは正しいのですが、その度に『旗が遅い』と野次られるのは可哀想でしたが。
このオフサイドの新ルールですが、明らかなオフサイドポジションに選手がいても触るまでプレーが続けられるので、その続けられたプレーの中での選手の接触があり怪我の可能性が増えるというデメリットはちゃんと考えられているのでしょうかね。特にゴール前のDFとGKの間にボールが出た場合、突っ込んでくるGKがオフサイドポジションの選手と接触した挙句オフサイドで無効なプレーだったとしたら、選手はやってられませんよ。


試合は残念な結果に終わりましたが、後半に目の前でプレーしていた山田卓也選手が攻撃に参加して相手にボールを奪われた時に、相手のゴールライン近くから守備を始めて相手の攻撃を一度止めて、自陣に戻る姿が往年のラモス選手の姿にだぶってしまって感慨深いものがありました。髪型だけでなく、今現在『読売魂』を継承している数少ない選手だからでしょうか。試合に勝てないときに、「いいサッカーをしているか」も大事ですが、山田選手のように「戦えるサッカーをしているか」の方がもっと大事だと思うのです。今日はヴェルディの選手は最後には足が止まってしまいましたが、次の試合は90分間の最後まで戦え、ヴェルディ