日本 - ラトビア

決意の東欧遠征〜誰か決意の意味と内容を教えてください。


さて気を取り直して、日程がオールスターと重なったり、小野選手の怪我があったりと、様々な要因がありますが、それでもスタメンの中に、駒野選手、茂庭選手、松井選手、そしてサブのメンバーで大久保選手が控えているなど、明らかに『アテネ経由ドイツ行き』が段々と実現しそうな雰囲気ですね。これでFWに田中達也選手やMFに阿部選手や今野選手などがメンバー入りしてきたら、結構年齢のバランスが良くなりそうなメンバーじゃないですか。


試合は戦前の予想通り、ボールをまわす日本に対し、まず守りを固めて一瞬のチャンスをカウンターで生かそうとするラトビアという、両国のストロングポイントが出まくる展開です。そんな前半5分、実況の角沢氏も『呆気にとられた』高原選手のロングドライブシュートが決り、あっさり日本が先制しました。
最初のうちはダイレクトのパスがつながったり、タイミングのいいサイドバックの上がりがあったりと、日本がラトビアの守備を揺さぶっていましたが、徐々にラトビアの守備陣も日本のボールまわしのリズムに慣れてきましたね。柳沢のジャンピングシュートや中村選手のドリブルからのミドルシュートなど惜しいチャンスもありましたが、追加点は奪えません。


時間が経過するうちに、日本のパスまわしのリズムを掴んだラトビアの守備が、日本のパスミスを狙い始めて危ないシーンが出てきました。カウンターから日本のゴール前に迫ったり、DFやMFのスピードのない危ない横パスをカットしてショートカウンターを見舞ったりと、ラトビアもチャンスを作りますが、得点は奪えずに前半が終了します。


しかし日本の選手は滑って転びますね。試合前にピッチに立った練習で何を確かめているのだろう。百歩譲って、前半転ぶのはしょうがないとしても、後半まで滑って転ぶか。土肥選手は何度転んだんだろう。3回目は相手にパスしましたね。それでも滑っている選手がいるのかどうか分からなかった実況の角沢氏は素敵です。現地まで行って、ピッチを見ないで何を見ているのだろう。サッカーが見えていないことは確実ですね。


後半も立ち上がりは日本がリズム良くボールをまわし、前線で柳沢選手が倒されてPKを得ます。これを中村選手が決めて2−0となります。しかし、ここからがラトビアの時間でした。体力的な問題もあるのでしょうが、守ってから勝負に入るラトビアの勝負のツボにはまってしまった感じですね。実況や解説者は意外な展開という語調で話していましたが、昨年のユーロ2004を見ていれば、ラトビアが2点差ぐらいで諦めるはずはないし、日本のスピードのないパス交換のインターセプトを狙うのは、前半から見えていました。特に2点差になって失うものがなくなり、ラトビアの選手全員が「攻めるぞ」という意識で統一された時間帯からは、日本はボールをまわせないし触れないような、完全に圧倒される時間が続きました。


後半の22分にセットプレーから1点を返されましたが、この失点場面以外でも、ヘディングの競り合いでマークがずれている場面は多々あったような気がします。もともとの身長や体格で負けていて、その上でマークもずれていては失点は時間の問題でした。
この得点でさらに前掛かりになったラトビアは、ボランチ中田浩二選手の横(やや後ろ)に戻すパスを綺麗にインターセプトしてそのままラトビアが同点に追いつきます。横パスを取られた時には、相手はスピードに乗ってきているし、自分たちの選手は置き去りにされてしまう。前半から危ないなと思うパスはあったのですが、それが最後の体力が落ちてまわりが見えなくなる時間帯に出てしまいました。まさかの同点というよりは、必然の同点と言う印象ですね。


ジーコ監督の選手交代ですが、大久保選手の投入は別にして、後半31分に坪井選手と三都主選手を投入し、3バック2ボランチに変更した時は『おぉ!!』と感心してしまいました。バックの人数を増やして、中盤の底も守備に厚くする。結果は出ませんでしたが、監督が試合中に打つ選手交代の手段としては納得の選手交代でしたね。しかし、結果的には守りきれませんでしたけれど。
守りの為の投入としては、三都主選手の守備は軽すぎますね。守備のオプションがなさ過ぎます。店じまいを上手にする為の、ベンチ要員がいない、23人の役割分担を考えたメンバー選出ができるかどうかが、これからのポイントになるのでしょうか。


試合は引分けに終わりましたが、日本にとっては課題があぶりだされて最高のテストマッチになったのではないでしょうか。ラトビアに感謝しないと。90分を通した試合運びというのでしょうか、得点を狙いに行かなければいけない時のオプション、あと何分を守りきらなければいけない時のオプション。ラトビアは好きな国ですが、それでもあえてこういう表現をしますが、ラトビア相手にすら守りきれない守備と言うのは、真剣に考えないと本大会で散々な結果になりますよね。
試合前に前の試合を振り返るVTRで、先月のホンジェラス戦の日本の得点場面だけを放送して、失点場面は放送をせずに、目をつぶってなかったことにするような考え方だと、これからも同じことの繰り返しですね。テレビ局だって、課題は課題として指摘し、欠点は欠点として声高に放送するくらいでないと改善の雰囲気すら浮かびそうもありません。まあ、試合後のインタビューで、中田英選手などは随分危機感を持っているようでしたが。