ボルトン - ウェストブロムウィッチ

中田の中田による中田のための試合でしたね。
やはり、このレベルの相手なら中田選手の独壇場です。試合は開始から圧倒的にボルトンが押し込んでいましたが、中々ボルトンのFWが決められない。特に前半は左サイドからの中田選手のエンジジェルクロスをデイヴィズ選手が決められない。次にクロスからの折り返しの浮いたボールを中田選手が見事なボレーで捕らえるも、こともあろうに味方のヤンナコプロス選手が背中でブロック。この場面は『貰った!!』と思ったんですけどね。


これらの場面以外でも今日の中田選手は攻守にわたり効いていました。特に攻撃面では単調になりがちなボルトンの攻撃に変化を与えていたし、特に暴走気味のヤンナコプロスから主役の座を徐々に奪っていくのが面白かったです。試合開始から前半のプレスキックはヤンナコプロス選手が蹴っていたのですが、後半途中から自然に当然のように中田選手が蹴っている、不思議な選手ですね。


圧巻は後半36分、素早い押上げからペナルティエリア直前で自分が倒されて得たFKを、4者会談の後自ら蹴り、ファーサイドのポストの内側に決める技ありのシュートで試合をモノにしました。前半は快調に攻撃を続けていたボルトンですが、後半も途中からは攻撃のリズムが悪くなり、スタジアムの雰囲気も声援が途切れて停滞したムードになっていた、そんな嫌な空気を全て消し去った中田選手のプレミア初ゴールでした。それにしても、あんなに嬉しそうな顔を久しぶりに見ましたよね。
あれをあの場面で決めてしまう運とか、意志の強さとか、技術とか、精神力とか、トレーニングとか、あの一瞬に込められた向こう側をのぞいてみたい。


また、終了間際には自陣ゴールライン付近でボールの処理にもたついていた相手選手に対し、まわりこんでボールを奪い取ったチャンスがそのまま止めの2点目につながり、もう完全に「中田の日」でした。この活躍でチェルシー戦の後半の悪い印象は完全に吹っ飛び、ボルトンサポのハートをがっちり掴んだことでしょう。これだけ押していた試合を引分けで終えたとしたら、ボルトンから見て負けに等しい引分けとなっていたでしょうからね。
これからの中田選手の活躍が非常に楽しみです。