今さらですが、ピレスのトリックPK

サッカーダイジェストを読んでいたら、『レキップ紙』編集長 レミー・ラコンブさんの欧州蹴球論考の中で、アンリとピレスへの非難は的外れだと語っていましたので、一部引用したいと思います。

今回の1件に対する非難は行き過ぎだ。しかもフェアでない。2人でPKをやってもいいルールである以上、事は相手に失礼だとかいうレベルの問題ではないのだ。
1982年12月5日、オランダ・エールディビジアヤックス対ヘルモンド戦で、ヨハン・クライフとイェスパー・オルセンが、ピレスとアンリがチャレンジした方法を成功させてゴールを決めたが、その時クライフは「天才的な発想だ」とベタ褒めされ、突飛な行為だとか相手をコケにしたとか言う者はなかった。
仮にピレスとアンリが問題とされたプレーを成功させていたら、画期的出来事として2人は手放しで賞賛されていたはずだ。「言い出したのは僕だ。トレーニング中に何度も練習してうまくいくようになっていた。だから責任は僕にある。もうやることはないかもしれない。でも、観客を楽しませるのがサッカーというスポーツでもある」とアンリはこう述べたが、彼は間違っていない。
今回の1件をやけになって非難するのは、サッカーの遊び心を損なう態度だし、これではせっかくの発想もしぼんでしまう。アンリとピレスのおかげで、こんなプレーもありだという点も分かったのだ。かえって感謝すべきかもしれない。
サッカーダイジェスト No810 122ページより一部引用)

私はこの問題でアンリとピレスを非難できるのは、得点のチャンスをふいにされたアーセナルのチームメイトと関係者だけで、それ以外の人間が非難する問題ではないと思っています。ただ難しいのは、このプレーがあったのがイングランドのリーグだったことが不幸だったかな。他の国、もう少しサッカーに余裕というか遊び心を持っているリーグや国だったらウケたと思うのですけれど。