ビフォア・サンライズ 恋人までのディスタンス

以前に続編の「ビフォア・サンセット」を紹介しましたが、今度は時間的に9年前の「ビフォア・サンライズ」を。


ビフォア・サンライズ 恋人までの距離 [DVD]

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20代前半の主人公の男女がユーロトレインの中で出会い、翌朝ウィーンの空港から帰国するアメリカ人男性(イーサン…ホーク)に誘われてフランス人女性(ジュリー・デルピー)が途中下車し、夜通し語り合う。自分について、人生について、男女について、恋について。
「恋に落ちる」2人を描いた映画でもあるのですが、ただそれだけではなく「見知らぬ2人がお互いに相手を理解しあうことの大切さや感動」を恋に落ちる2人を通して描いている映画ではないかと思います。ドイツ後を話せない2人が、旅先で現地の人と何気なく交わす会話の中にも「コミニケーションって大事だよね」という示唆があり、それでは言葉を話せればコミニケーションが取れるのかと言えば「相手の言葉を聞き、そして理解することの大切さ」をも大事にする。日本語を読み書き話せるからと言って日本人同士でさえ理解できないことが多い現実の中で、『相手を理解して思いやる気持ちの素晴らしさ』を恋というストーリーを通じて訴えている名作だと思います。


とまあそんな小難しいことを言わなくても、とにかくジュリー・デルピーが可愛い。9年後の彼女も綺麗ですが、この作品時の彼女は可愛くて魅力がはち切れんばかりに溢れています。体全体での演技もさることながら、表情だけの演技や目の演技、指の使い方で感情とその女性のキャラクターすら表現してしまうところなど、いいですねぇ。
もちろん女性の方もイーサン・ホークのお茶目でかっこいいスタイルの魅力が充分楽しめると思います。
そしてこの2作品に欠かせないのが舞台となっているヨーロッパの街並の美しさ。日本の「木の文化」ではない「石の文化」で作られている街が、夕方、夜、朝方とその表情を変えていく様はロードムービーとしての魅力も充分です。


『恋人やパートナーと夜通し語り合うなんて遠い昔…』という年代の方にも見ていただきたい、心が温まるけどほろ苦い想い出もよみがえる、そんな映画ですね。


なお、こんな名作なのに現在なぜか定価1,500円(アマゾン価格1,350円)でDVDが販売されています。ここでのアフェリエイトなどに関係なく、この価格なら多くの方に見ていただきたいです。でも、恋人やパートナーとは一緒に見ないで、1人でじっくり見たほうがいいかも…。何度も何度も繰り返し見たくなる映画です。


ビフォア・サンセット [DVD]

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