情熱大陸 中田浩二

昨夜TBS系列で放送された情熱大陸を見ました。スイスのバーゼルで頑張っている中田浩二選手の今シーズンを追ったものでしたが、非常に良い番組でした。中田選手がチームメイトにもサポにも愛されている様子がとても良く伝わってきて、『楽しく充実したサッカー人生を送っているのだな』と見ていて嬉しくなってしまいました。


また、バーゼルのホームスタジアムにはショッピングセンターが併設されていて(ショッピングセンターにスタジアムが併設されているのかも…)、駐車場を共有しているというのは素晴らしいアイデアだなと感心することしきりでした。スタジアム単独の駐車場だと、たくさんスペースを取ったとしても試合開催日以外は無用の長物になってしまいますが、ショッピングセンターという毎日人が多数訪れる場所と共用するのなら、多めに駐車スペースを作ったとしても無駄にならないし、地元の人々にスタジアムやサッカークラブが非常にに身近なものになる。日本も運動施設は運動施設として単独で扱うだけでなく、あのような柔軟な姿勢があれば集客に困るクラブなどは随分救われると思うのですが。


最後に日本代表についても触れていましたが、スイスにいてもオシムジャパンの試合は全てDVDで見ていて、自分がそこに入ったときも戸惑うことなく対応できるように準備しているとのことでした。海外でスタメンで出場しているDFという存在はとても貴重なのですから、今度の24日のペルー戦では中田浩二選手を呼んでくれないかな、オシム監督。
その後の”やべっちFC”でもG大阪の遠藤選手が、「日本代表の合宿中に中村俊輔選手から電話が掛かってきて、どんな練習をやったかとかアイツはどんな選手かなどと聞かれる」と言っていました。このように海外にいる選手も常に日本代表を意識して気にしてくれているというのは、これも何だかちょっと嬉しかったです。

パリ〜ニース 第1ステージ

今年もまたサイクルロードレースの季節がやってまいりました。サッカー関係のエントリーを楽しみにしていただいている方には申し訳ないのですが、こちらのダイアリーは開設直後からサイクルロードレース、特にフランスで行われるステージレースには激しく反応しています。興味のない方にはスルーしていただくか、または折角ですからこれを機会にサイクルロードレースに興味を持っていただければと思います。サイクルロードレースを普及しようなどという高尚な志はありませんが、サッカーを見るためにスカパーに加入している方ならサッカーセットによってはJスポーツが無条件で視聴できると思いますので、これを機会にぜひ。


さて偉そうな前口上が長くなりましたが、昨年のツール・ド・フランス以来約7ヶ月ぶりのサイクルロードレース観戦ということで、リハビリも兼ねてまったりと見ておりました。スカパーでパリ〜ニースをライブ中継するのも今年が初めてということですが、やはり欧州の夕方に開催されるレースだと中継時間がちょうど日本の夜〜深夜にかかるという時間帯がありがたいです。おかげで寝不足になるのですけれどね。今日は23:00から25:00の中継でしたが、一日のいろんなことが終わって一息ついたところで中継が始まるという、タイミングの良さ。意識しなくても見れちゃう時間帯です。そして選手たちの背景に映るフランスの雄大な風景がたまりません。ヘリコプターを使った俯瞰での映像や、道路から離れた距離から撮影しているカメラの画などは本当に綺麗です。


で、この第1ステージですがサイクルロードレースの魅力と不条理さがすべて詰まったレース展開でした。186kmの平坦コースだった第1ステージでしたが、開始2.5km地点からの4人での逃げ、そしてその4人を泳がしながらゴールまでの距離に合わせてタイム差を詰めてくる集団、残り5kmで集団に逃げグループが吸収され、スプリンターを勝たせるために集団の中で激しい位置取りを繰り広げる有力チーム、そして完成するトレイン。しかし、ゴール前1km地点の激しい鋭角左コーナーでの混乱により、いきなりの伏兵のステージ優勝。大げさに言えば2時間の中継の中で1時間50分に渡り映されていた先頭の逃げグループでもなく、勝負どころのラスト10分での戦術に長けた有力チームでもなく、優勝したのはわずか1分だけ画面に映りこんできた選手でした。今までの2時間近くは何だったのかという不条理さと、何が起こるか分からないサイクルロードレースの魔力と魅力が詰まった第1ステージでした。


100回トライしても99回は失敗することが分かっている逃げにチャレンジする選手。めったに起こらない奇跡を信じて逃げるのか、それともチームオーダーで逃げるのか。プロが行う勝負事ですから勝利という結果も大事です。が、大人のビジネスとしての側面を考えれば、20チームで200人もの選手が参加しているレースの中で、ステージ優勝して表彰台に登りテレビでクローズアップされるチームなど極わずかなので、負けると分かっているチャレンジでも逃げをうって1時間50分近くもテレビ画面に映り、実況にチーム名(=スポンサー名)を連呼させることを仕事と割り切って行う有力じゃない選手たちに何かを感じてしまいます。逃げてテレビに映れる選手などはまだマシな方で、チームのエースを引っ張るために走る選手や、集団の後ろまで下がってチームメイトが飲むボトルなどを運ぶ選手もいます。サッカーで言えば報われることの少ないテレビに映ることの少ない無駄走りをひたすら繰り返す地味な仕事をする名選手のような存在で、だからこそそのような選手が逃げをうって、集団で何らかのアクシデントが起こってそのまま逃げ切ってしまった時などは、何ともいえない興奮と感動があります。


結局は第1ステージでは4人の逃げが成功することなく集団に吸収されてしまった訳ですが、それでも面白かった。そこからは有力チームによるスプリント勝負になるのかと思ったのですが、まさかのゴール前1km地点での左鋭角カーブでした。ヘリコプターによる上空からの画を見たときに『これは何か起こるでしょ』と思いましたが、案の定インコースから突っ込む選手が出てトレインは大混乱。レースはその一瞬の集団の動揺を突いた選手がステージ優勝しました。結果としては呆気ないものでサイクルロードレースの不条理を感じさせるレースでしたが、これもまたレースということで。