大会13日目

今日も休みだ。今日は宮城での試合なので、早朝6時前にはチェックアウトをして東京駅に向かう。新幹線に乗り込んで自分の席に座ってからの記憶がほとんどない。大宮駅に止まったことはうっすらと覚えているけれど、次に起きたのは仙台駅直前だった。最初から寝てしまうことは分かっていたので、腕時計と携帯電話のアラームをセットしてから寝た。本当はもう少し遅い時間の新幹線でも間に合うのだけれど、移動の費用を少しでも抑えたいので、料金の安い早朝の新幹線になった。体にきついね。


仙台についてから時間が余る。駅の喫茶店でモーニングを食べて、市内循環バスで青葉城に行って伊達政宗像を見学した。また市街地に戻って、牛タン定食を食べて市街地をブラブラした。メインストリートのようなアーケードはスポーツショップやキャンプをしたイタリアチームのサポートスポットなどがあって、ワールドカップを開催している都市の雰囲気があって楽しかった。


そろそろいい時間になったので地下鉄に乗って終点の泉中央駅に向かう途中、仙台スタジアムが見えた。雰囲気のいいスタジアムだ、ここで試合をやればいいのにと思った。
駅から誘導にしたがってかなり歩かされる。ショッピングセンターの前を通り、役所のようなところからシャトルバスに乗せられる。初めて行くスタジアムなので勝手が分からずに興味を持ってバスの車窓を眺めていると、景色はどんどん山の中に変わっていく。山を二つ三つ越えたところにようやくスポーツ施設のようなものが見えてきた。土地はいくらでもありそうなのに、どうしてこんな山の中に作ったのだろう。繰り返しになるが、仙台スタジアムがあるのだから、あそこでやれば良いのに。


しかし、バスを降りても移動が終わったわけではなかった。手荷物検査のゲートを通過してから、今度は丘陵地帯を延々と歩かされることになる。建物の屋根が見えてスタジアムかと思うと体育館らしきものだったり、本当に遠かった。
それだけの苦労をして到着したスタジアムは陸上トラックがあってピッチが遠く、さらにスタンドの傾斜や高低差がないので余計に遠く感じるスタジアムだった。横浜といい勝負だ。


スウェーデン 1-1 アルゼンチン 15:30
前日のフランスと同様、イングランドに負けて後がないアルゼンチンは猛攻を続けるがシュートはどうしてもゴールに入らない。そんな展開が続く中、スウェーデンがFK一発を決めて先制する。これでさらに攻めるしかなくなったアルゼンチンだけど、ようやくゴールを割れたのは試合終了直前で同点に追いつくのがやっとだった。前日のフランス敗退を見ているだけに、アルゼンチンもかよと思いつつ、優勝候補の国々でさえグループリーグを突破できない厳しさを見た思いだ。


試合については他にもまとまって応援するスウェーデンサポーターの姿なども印象に残ったのだが、いかんせんスタジアムのアクセスの悪さの方が印象的でその他の出来事が飛んでしまったような印象だ。試合終了後に泣き崩れるアルゼンチン選手をもう少し見守っていたかった思いもあるが、帰りは帰りでまた遠路なので、終了と同時にスタンドを後にする。


それでもバス乗り場は大混雑で、行きも帰りも大変だ。何とか仙台駅までたどり着いて、お土産を買いつつ、また駅の食堂で牛タン定食を食べる。帰りの新幹線に乗るためにホームに上がっていった時に、ホームにいた1人のアルゼンチンサポーターの寂しげな表情が記憶に焼きついている。経済状態の悪いアルゼンチンから日本まで試合を見に来るなんて、随分借金をしたのではないか等と余計なことを考えてしまう。強豪国のサポーターにとってグループリーグ敗退なんて心の準備ができていないのだろう。
帰りの新幹線の車内も記憶がない。