東京Vー浦和

坪井、田中闘莉王 vs 森本
チームの試合とは別に、選手同士の対決としてこの顔合わせを楽しみに見ていたのですが、いや、大人と子供でしたね。(そのままやん)
序盤に2本惜しいチャンスがありました。
森本選手が縦に走りこんで後ろからのパスをコントロールするという形でしたが、どちらもファーストタッチが少し大きく乱れ、決めることはできませんでした。それ以外にサイドに流れてボールを受けた時は、坪井、田中闘選手と一対一を仕掛けるのですが結局最後まで抜ききれませんでした。
東京V vs 浦和:試合終了後の各選手コメント

森本貴幸選手(東京V)
「久しぶりのスタメンで、やっぱり、やってやろうという気持ちだった。監督からは自分の思ったことをやれば出来るからと言われていた。今日は出来た所と、出来なかった所がある。出来たのは、敵のDFラインと駆け引きをし、裏に出て1対1になった場面が2回あったこと。ただ、そこで決められなかったことが出来なかった所」

−浦和の田中達也選手の印象は?
「同じFWとして、一瞬目を離した隙に2点取ってしまう所が、やっぱりすごいなと思った」

坪井慶介選手とのマッチアップが多かったが印象は?
「早かった」

−自分に足りない所は?
「技術と経験。もっと落ち着いてプレーできるようにならないと」

もちろん16歳でここでプレーしていること自体がすごいことなのですが、正直通用したといっていいのかどうか、微妙ですね。

坪井慶介選手(浦和)
森本貴幸選手とのマッチアップの感想は?
「すべての面で16歳じゃない。技術、体力、身体もすごかった。これからもっと力をつけていくと思う」

浦和のGK都築選手と一対一で交錯して熱くなっている都築選手をなだめているシーンでは、どちらが大人でどちらが子供か分からなかったけど(笑)。

アルディレス監督はこのようにコメントしています。

サッカーではこういう状況もあるということ。例えば森本(貴幸)も若い選手。森本はいい選手だが、もちろんミスもする。しかし2つの大きなチャンスに絡んでいた。相手にとっては、常に脅威だったことだろう。フィジカルも強い。90分間問題なくプレーし、常に相手にプレッシャーをかけていた。浦和のような豊富な経験を積んでいるJ1のチームを相手にあのようなプレーが出来るとは。わたしは個人的に、森本の成長に満足しているよ。例えば今日森本は、NO.1のFWとしてプレーしたが、それは大きな責任がつきまとう。16歳でそういうプレッシャーに耐えるというのは、決して楽なものではない。しかしそういう状況の中で、森本は、プレーに専念出来ていた。森本も李康珍も、まだプレーにミスはあるが、非常にわたしを満足させてくれている。彼らだけでなく、若手全員に、わたしは力を注いでいくつもりだ

もちろん、本心では不満もあるでしょうが彼らにプレッシャーのかからないよう気を使っていてくれます。ただ、

後半だけで、17本のシュート。これはものすごい数字だ。逆にFWの精度が欠けているのではと言われるかもしれない。むろんFWだけではないかもしれないが…。その部分にも、これから力を入れる。もし、ロナウドを連れてくることが出来るのなら、その課題も、解決するんだがね

それを言っちゃーお終いじゃん。


また、試合について私は完敗だと思っているのですが、監督はこのように評価しているようです。
浦和レッズ戦 アルディレス監督 記者会見

●試合の感想
「いい試合だったと思います。たくさんのゴールチャンスがあり、観てて楽しめる試合だったと思います。なので両チームを称えたいと思います。戦術的に見ると、レッズはカウンターを重視して、スピードのある選手を前線に配して、プレーしていました。私たちのスタイルはより中盤を支配して、ボールをコントロールするという形。私たちのプレーを見れば、非常に良かったと思う。最後の最後まであきらめず戦ってくれた。前半でつまらない2失点をしたことで勝負がついてしまいました。試合を支配していたし、チャンスも作れていました。ただ非常につまらない失点を2回してしまいました。後半は内容もさらに良くなりましたが、ハーフタイムで選手たちに前からプレスをかけるように言いました。もちろんそうすることで守備が薄くなり、よりカウンターがさらに効果的になるというリスクを負うこともわかっていました。そして後半は完全に支配できたと思います。後半だけで17本シュートを放っています。結果は大変悲しいですが、最後の最後まで意欲的にやってくれた選手たちのことを考えると喜ばしい部分もあります。もちろん守備のミスはありました。来週の練習でそれは修正していかないといけません」

田中達也選手のスピードは試合前から分かっていることなので、確かにもっと対応の仕方はあると思います。集中力の欠如もありますが(NHKのカメラ、スィッチャーにも集中力の欠如を猛反省して欲しい)、相手FWとの距離の問題や自分達の攻撃時の相手FWの捕まえ方など改善できるものでしょう。
また、中盤を支配することについてこのように語っています。

●中盤を支配するのが大事だと言われるが、何故大事なのかをわかりやすく教えて下さい
「私たちのサッカーのベースはパスです。忍耐強くパスをまわしていくと、スペースが生まれてきます。例えば前半の森本のチャンスのシーン、パスをつないでいく中で、スペースが生まれ、そこをついた2つのシーンでした。パスをいつまでも回し続けるということではありません。パスを回しながら、常に相手を試さなくてはいけません。右から、左から・・・。今日は後半だけで17本シュートを打っています。それはすごいこと」

常に相手を試す=攻撃のスイッチ だと思うのですが、なかなか攻撃がペースアップしないんですよね。常に仕掛けるぞ、という気持ちが伝わってこない時間も結構あったと思いますが。
続いて結構厳しい質問です。(私も同感な質問ですが)

●スルーパスと言われたが、決定的なスルーパスなのか。また17本シュートを打ったと言われたが、本当のチャンスとなったシュートはつないだパスからではなくCKやFKからだったように思えますが
「もちろん相手は11人で守っていたのですから、そういうシーンでチャンスが生まれたことは当然です。私もカウンターは大好きです。カウンターを仕掛けているときというのは、まだ相手は整っていないからです。もし先制したのがヴェルディだったら、レッズのほうが押し上げて、ヴェルディがカウンターを狙えるという形できていたかもしれない。今日の1点目は冷水を浴びせられたような気がしました。集中力の大きな欠如があったと思います。」

質問に答えているような、いないような答えですね。本当に今の攻撃が有効だと思っているのかいないのか聞いてみたいところです。
湯浅さんはこのように見てるようですね。

試合後の監督会見で、オジーアルディレスがこんなことを言っていました。「我々は、前半の半ばころからゲームを牛耳っていた・・それは、我々が標榜するパスゲームで中盤を完全に支配していたこと、そして後半だけで17本もシュートを打ったことでも証明されている・・」なんて言っていました。

 それに対して私は、思わず、「いま中盤を支配していたとおっしゃいましたが、その目的って一体何だったのですか?」と質問しちゃいましたよ。何せ、彼らの場合は、ボールを支配すること、パスを回すことの方が目的のように思えて仕方なかったものでネ。鈍重な動きのなかで足許パスをいくらつないでも、決定的なカタチでのシュートチャンスなど作り出せるはずがない。そして無理な状況からのゴリ押しシュートを放つのがオチ・・。

まったく同意です。シュートから逆算する攻撃の姿勢も見せて欲しい。

 あれだけ高い個人能力を揃えているのだから、もっとクリエイティブな無駄走りを積み重ね、人とボールの動きを連鎖させていけば、確実にインターナショナルレベルまでいけるのに・・。彼らには、それだけの潜在力が備わっているのです。しかし実際は・・。だから惜しくて仕方ない。

 高いキャパシティーを備えた個人事業主たちが、限界を追求しようとするのではなく、周りのレベルに合わせて「まあこの程度でいいや・・」と安易に妥協する姿勢には、常日頃言いつづけているように、まったく納得できない湯浅なのですよ。

そうなんですよね。必死さが足りないのか、走りが足りないのか。もっとできるチームだと思ってるんですが。最後の刺激ファクターは何なのでしょうね。