岡田武史監督(横浜FM)会見コメント
この部分が本当の横浜FMの強さなのでしょうね。
Q:監督にとって、自主性のあるチームを育てる上でいちばん大事だったことは?
「ひとことで言うのは難しいが、『今何ができるか』ということ。済んだことを悔やんだりしても仕方ない。試合というのは内容がすばらしくても負けることはあるし、それは神のみぞ知るところで、我々にできるのは『今できること』を95%ではダメで、100%やること。それを選手たちはやってくれた。今日のメンバーも本当はもっとやりたいサッカーがあったと思う。きっとある程度ボールを回すサッカーもできたと思う。しかし、それを90分し続けると負けるだろう。とにかく格好が悪くても、今日の戦い方を徹底してほしいと伝えたら、それをやってくれた。選手たちがタフになってきたなと感じた。
いちばん大事なことは『今何ができるか』ということ。そして勇気だったと思う。腰が引けたサッカーをしたくない、押されても前へ行こうと言った」
監督が基本的な戦い方を選手に示して、選手は現実のピッチ上で選手間で修正しながらそれをやり遂げる。確かに選手の話し合いや、声の掛け合いは大切だけれども、その前提にチームがひとつの方向にまとまっている強さや、戦術イメージの統一がなされている点、そして選手が入れ替わってもそれが崩れない点が横浜の本当の強さなのだということがこの2試合を通じてはっきり分かりました。
監督のコメントにもある通り、チームとして”こんなサッカーがしたい”という別のイメージもあることでしょうが、その試合にあわせそれぞれの選手が自らのタスクを考えて実行する、実行しきる強さ。まずチームの方向がはっきりしており、それを全員で実現する強さ。うまく言い表せませんが、そんな強さを強く感じました。
選手の構成もベテラン、中堅、若手とバランスがとれていますし、監督も日本人監督としてはかなり経験豊富な方です。選手ばかりが目立ちすぎることもなく、監督ばかりが目立ちすぎることもない。選手と監督のバランスもいいんですよね。横浜FMの黄金時代はこれからも続きそうな予感です。