最後のトヨタカップ FCポルト - オンセ・カルダス
本当に疲れる試合でした。激闘とか熱戦とかそういう言葉ではあらわせない見ていて”疲れる試合”でした。
昨夜のチャンピオンシップ、そして今夜のトヨタカップ。その間には仕事の都合で見ることはできませんでしたが、入れ替え戦もあり、天皇杯もあった。サッカー的には何という週末。こんなにしびれる試合はもう少し日程をおいて開催して欲しいです。そうしたらスタジアムに見に行けるのに。
さて、今夜のトヨタカップは延長まで含めて120分間戦いましたが決着がつかず、勝敗の行方はPK戦に委ねられました。昨夜のチャンピオンシップでも、”PK戦は時の運”というような表現もありましたが、今夜のPK戦を見ていると、運不運というよりは精神的な強さだったり、正確な技術だったり、その両方を兼ね備える力だったり。とにかく運不運だけでは片付けられないハイレベルなPK戦を見せていただきました。
FCポルトのGKは試合中のバイーア選手の不意の体調不良により急遽出場することになった青いユニフォームのヌーノ選手、こちらはPKのキックを待つ間とにかく動きます。
オンセ・カルダスのGKは赤いユニフォームのエナオ選手、こちらはほとんど動かずに相手の動作を冷静に見極めます。
そしてこの両GK以上に凄かったのが両チームのキッカーたち。PKは9人目まで進みましたが両チーム18人の中でバーとポストに当てたのがお互いに1人ずつ。それ以外の15人は見事に落ち着いてPKを決め、たった一人だけ大きく枠を外したオンセ・カルダスの負けが決りました。
私はPK戦でポストやバーに当たるのは運不運だと思っています。でも今夜の試合では、それ以外にこの緊張するPK戦の中で外したのはたった一人ですからね。決めたシュートもラッキーにも入ったキックではなくて、確信を持って決めたキックでした。両チームのGKが止めたり、弾いたりしたキックは1本もないのですよね。キッカーの落ち着きと技術は本当に凄かった。
昨夜から2日続けてPK戦を見せていただきましたが、ピッチ上の動きの中でのプレー以上に、今夜のPK戦の中で『世界のレベル』というものを見せつけられた気がしています。”世界のレベル”とか、”世界の壁”とかいう言葉はあまり好きではないのですが、日本一のクラブを決めたPK戦と、世界一のクラブを決めるPK戦を連続で見ると、そこにまだまだ成長の余地があるように感じました。
PK戦以外にも試合の中で見所はたくさんあったのですが、さすがに昨夜の今夜でもうサッカーは”お腹いっぱい”という感じです。それでも、テレビでは欧州のリーグ戦を放送しています。どうしよう、頭の中で消化しきれません。それでもサッカーは面白いや。