日本 - バーレーン

うーん………


埼玉スタジアムに行ってきたのですが…。
勝ち点3を取って、この時点でバーレーンの上位に出たことは素直に嬉しいんですが、あの試合ですからねぇ。
前半の45分間は日本が得点できる気がしませんでした。セットプレーのチャンスは続きましたが、ほぼ完璧にバーレーンDFに跳ね返されているし、流れの中の攻撃ではペネルティエリアにすら入れない。日本の選手たちも自ら動き出す選手はほとんどなく、パスは足元ばかり。ボールを素早く動かそうと意識しているのは中田ヒデ選手1人じゃないかと思うぐらいに、日本のパスは選手の足元に入り、受けた選手もボールをこねてから寄せられて放す。スペースを狙う動きだったり、バーレーンDFの裏をとる動きは皆無でした。このまま後半開始からも選手交代がなく、戦い方が変わらないならこのチームは空中分解するとすら思いました。


確かにカウンターに特徴のあるバーレーン相手ですから不用意なボールの取られ方はしたくないし、相手ボールになったときに日本の守備のバランスが整った状態にしておきたい、そんな心理は理解できます。
でも、この時点で日本は勝ち点で1点負けているのですよね。攻めなきゃいけないのは日本のほうなのに。
バーレーンは勝ち点で上回っていてアウェイの試合、だらだらと時間を使って0−0の引き分けはゲームプラン通りですよ。試合を動かさなきゃいけないのは日本なのに。


後半キックオフから中村選手が三都主選手に長いパスを出して裏に走らせたときに、ようやく試合が動くと安心しました。メンバーの変更がないようなので、後半もそのまま膠着状態が続くんじゃないかと心配だったのですが、”攻めてやるぜ”という気持ちが感じられるプレーでしたからね。
後半の日本はようやくバーレーンペナルティエリアまで侵入してシュートが撃てるようにまでなりました。でもね、上から見て動いているというか、走っているように見える選手は両サイドの加地、三都主選手と中田ヒデ選手だけに見えちゃうんですよね。前半よりは左サイドの奥のスペースが使えるようになったとはいえ、なかなか試合は動きませんでした。
そんな後半24分、ようやく監督が動きました。遅いけど、本当にようやくという感じです。とにかく試合を動かさなきゃいけないのは日本のほうで、引き分けでいいバーレーンはちょっとぶつかると倒れこんで露骨に時間を稼いでいますし、バーレーンは守りを固める余り、6人の選手がDFラインに入り、6−2−2になっている時間もありました。


走るタイプの玉田選手が入ったことで何とかなるかなと感じた後半27分のセットプレーからのオウンゴールでようやく先制です。一瞬何が起こったのか分からない感じでした。ゴールネットは揺れたけど、日本の青いユニフォームが蹴りこんだようにも見えない、見事なバーレーンオウンゴールでしたね。凄く嬉しいんだけど、心の底からは喜べない得点でした。
これで攻める必要がでてきたバーレーンが前に出ることで日本にもチャンスが生まれると思ったんですが、チャンスが生まれたのはバーレーンの方でした。でもカウンターのバーレーンは怖いんですけど、ボールをまわすバーレーンはさほど怖くない、そんなことを思っていたら終了間際に2度ほどヒヤリとさせられましたけど。


勝ち点3を獲得してバーレーンの上に出たことは本当に良かった。でも、きわめて日本的な問題の対処方法というか、この勝利は問題の解決を先送りにしたようにしか見えません。次の6月のアウェイ2連戦はバーレーン北朝鮮、アウェイとはいえ負けるような相手とは思えません。でも、今日の勝利で日本代表は最後のチームの立て直しのチャンスを失ってしまったんですね。後は運を天に任せるだけ、そんな心境です。試合に勝った直後の文章とは思えないけれど、どうしてこの4カ国の中で2位に入ることを心配しなきゃいけないんだろうと思っちゃいます。
あと、埼玉スタジアムで日本代表に奇蹟のようなゴールが入るのはいつも北側のゴールだと思いませんか? 単に日本が後半に攻めるゴールだからなのかな。