あらためて代表監督論

でも、想像は膨らむのですよ、もし同じ代表選手をオシムさんが率いたら。もし同じ選手をアルディレス監督が率いたら。もし…


両者とも、前代表監督ほどにはガチガチに約束事は決めてこないだろうと思います。選手の個性を生かし、組み合わせの妙を探す。特にアルディレス監督なら選手の特徴を際立たせる為に、選手のポジションや配置を微妙に変えながらバランスを探るという、玄人の仕事ができると思うんですよね。監督が監督としての全霊を傾けたスタメンや選手の配置の上で、選手が相手との1対1の戦いに挑む。現状の日本代表では、選手は監督やチーム組織としての援護射撃なしで白兵戦に挑んでいる悲壮感と言うものを感じてしまうのです。選手を選んで配置するだけじゃ、素人の仕事ですよね。


選手の組み合わせを探る中で、ここがストロングポイントだというものが見つかったら、その個性を生かすためにまわりがどのような動きをするのか、その選手の個性をまわりがどう引き立てるのか。1対1の戦いに勝つために、近くの選手が相手の意識を少しでもそらすことができたなら、相手の守備の集中を少しでも乱し、混乱させることができたなら、1対1の戦いに勝つ確率はより上がっていくと思うのですよ。


もちろんいくら監督が種や仕掛けを準備しても、選手が戦い負けていては話にならないのですが、今の代表選手の顔ぶれを見ればそうそうアジアでは劣るメンバーじゃないと思うんですよね。イラン、バーレーン北朝鮮、韓国、中国、サウジアラビア、アジアのライバルたる各国の国内リーグにどんな監督がいるのか分かりませんが、現在のJリーグの監督やコーチ、特に外国人の監督より優れた人々がそれらアジアの国の国内リーグにいるとは思えないんですよね。それほど優れた監督がJリーグにいるのに、何で代表監督がこうなんだろうというのは、もしワールドカップ出場を逃してしまったら悔やんでも悔やみきれません。


勝負事ですから、どんな監督を連れてきても悪い結果が出ることはあるでしょう。でも、本当にそうなってしまった時に、どちらが後悔が大きいか、やれるだけのことはやったと負けても胸がはれるか、それを考えるとモヤモヤは晴れません。現実には有り得ないと思っても想像してしまいます。もし、監督が…