副官発見???

副官発見! KET SEE BLOG 
ケットさん、いくらポジティブシンキングだからといって、そこまでいっちゃうと監督が要らなくなっちゃうじゃないですか(笑)


選手達の話し合いで練習メニューや時間を増やしていく中で、『この選手の組み合わせではうまくいかない』ことが明白になってしまったときに、今度は選手から監督にスタメンのメンバー変更を申告するのでしょうか。
例えば『アイツじゃサイドのプレスがかからないから、コイツにしてくれ』とか。
監督の頭の中にスタメンの選手名があるということは、その時点で大雑把なその試合の戦い方はあるのでしょう。例えばこの試合は4バックでいくとか、カウンターをケアして守備のバランスを崩さないでいくとか。選手達みんなが副官になってしまったら、DFとMFとFWの考え方の擦りあわせとか、誰がやるんですかね。それぞれの利害関係が一致しないときの裁定も選手任せになると、まずいんじゃないかな。これはポジション別で意見が分かれるだけでなく、選手のサッカー観でも意見が分かれてしまうのではないでしょうか。いくら和をもって徳となす国民性でも、真剣勝負の場ではどちらかの意見を切り捨てなければいけない決断の場面もあるはずで、それを選手任せにしてしまうのはどうかと思います。


まあそもそもその試合にのぞむ時点で、フォーメーションや考え方がその試合の位置付けとあっているのかどうか、選手の招集は有効かどうかなど、問題は山積みなんですよね。いくら固定メンバーで戦う今の代表チームでも、選手の怪我や出場停止など、不測の事態は常に起こりえることで、紅白戦で両チームとも同じ考え方で戦ってもねぇ、と思ってしまうのです。
個の個性を生かすという名目のもと約束事の少ない現状で、スタメン組のサイドにアクシデントがあった時に、控え組の選手が入って同じ動き方ができるのか、それはその選手の特徴によって戦い方が変わってきてしまうのではないか、そんな不安もあります。本来はその変わったバランスを微妙に修正するのが監督の仕事というか手腕なのだと思いますけど。


ただ、現実問題として6月決戦までにチーム体制の変更は有り得ないだろうし、監督の劇的変化も有り得ないでしょう。『あとは選手たちががんばるしかない』というのは同じなのですが、そのがんばる方向というのが、チームの約束事の構築という方向ではなくて、対戦相手の選手との1対1に勝つ、相手よりたくさん走る、相手を自由にさせない、相手を抜き去る、相手より素早く状況判断をする、そんな方向性でしか残された道はないのではないかと思うようになってしまいました。
イラン戦やバーレーン戦の後で中田ヒデ選手や中村選手が言っていたことと同じになってしまいますが、日本の最大の利点であった組織の構築を最初から捨て去っている現在の代表に残された選択肢は、『1対1で勝つ』しかないのだろうと思っています。