新潟の旅 その1

helguera2005-05-22

久しぶりにゆったりした時間を過ごすため、2連休で新潟の温泉に行ってきました。あくまで新潟の旅のついでにビッグスワンに寄って試合を見ただけですから。あんな試合を見に行って後悔なんてしてませんからね(くどいって…)。


前夜のFAカップ決勝が大変面白いスコアレスで延長PKまでもつれてしまったので、睡眠時間の少ないまま車で関越自動車道を新潟に向かいます。日曜の朝の高速走行は快適でしたが、関越トンネルを抜け新潟に入ると少し事情が変わりました。昨年の中越地震震源地近くの関越道は路面が波打ち、標識は傾き、路肩は崩れたままのところもあります。車窓から見える住宅の屋根にはまだブルーシートがかかったままのところもあり、また墓地の墓石が倒れたままのところもたくさんありました。関東に住んでいると地震の記憶も薄くなってしまいますが、被災地はまだまだ復興の途中なのだということをあらためて思いました。


関越道を降りて新潟市内に入ると、まずは最初の目的地である小嶋屋亀田店に向かいました。開店時間より1時間も早く着いてしまったので、時間を潰すため近くのアピタ新潟亀田店朝マックならぬ朝のマックでコーヒーなどをいただきます。マックの店内でまったりしていると青いユニを着た人たちの姿を何人か見かけました。
そうこうしているうちに小嶋屋の開店時間となり、一番の客として”へぎそば”をいただきました。昨年の12月にも小嶋屋の別の店でおそばを食したのですが、もういちど試したかったので今回再食となったのですが、やはり固いとは言わないけれどかなりコシのある強さで、喉越しつるりという感じは他のお蕎麦では味わえない食感であることを再確認しました。


食後に今回の旅の”ついで”である新潟スタジアムへ行こうと車に乗り駐車場に向かいましたが、入庫の長い列を待ち、ようやく入口に着くと前売り駐車券を持っていない車はUターンさせられ、かなり離れたローソンで前売り券を買って来いという不可解な対応をされました。以前来たときに前売りスタイルだったので、今回もそうかもしれないとJFAやチケットガイドのHPを探しましたが情報がなかったのでそのまま来たのです。列に並んでいる車の半数近くはUターンをさせられていましたので、半分に伝わっていない情報は告知してあったとは言えないのではないでしょうか。土地はあるのだし、入口で料金を払って入庫させればあれほど長い駐車待ちの列はできないのではないかと思います。駐車台数に限りがあるのなら先着順でいいわけだし、遅く行って満車ならあきらめますよね。
駐車場でそのような不可解な対応を取るから、周辺の住宅地やホームセンターに不法駐車する車が多いのではないですかね。土地はあるのだから、いかにその土地に効率よく来客する車を誘導するかを考えたら、あのような馬鹿な方法にはならないと思うのですがね。


”ついで”の試合(くどいって…)が終わった後は、本日の最終目的地である麒麟山温泉*1に向かいます。お宿は福泉にとまりました。麒麟山温泉には宿が2,3軒あるようですが、国道から少し離れており、目の前は広大な阿賀野川、まわりは緑豊かな山に囲まれ、まるで山奥の一軒宿のような雰囲気です。部屋の窓からの風景や絶景の露天風呂からは人工物がほとんど視界に入りません。手を伸ばせば届きそうなところを悠々と流れる阿賀野川と対岸の緑あふれる山、そして阿賀野川の上流方向はるか遠くには、未だに雪をいただく飯豊連峰が見え、現代社会のものとは思えない風景です。


また、対岸の森の中を磐越西線が通り、姿は一瞬しか見えないのですが土日運行の蒸気機関車「ばんえつ物語号」の汽笛が聞こえるのですよ。阿賀野川の川面に響き渡るSL独特の汽笛は鉄道好きにはたまらんです。現代離れをした風景の中に蒸気機関車の汽笛が聞こえてきたら、鉄道好きでなくても心が揺らぐと思いますよ。
姿が見えればなお良いのですが、森が濃いため一瞬しか見えません。SL以外でも通常のディーゼル列車がレールの継ぎ目を踏む「カタンカタン」という音も対岸から聞こえてきます。静かな夕暮れ時に対岸から聞こえてくる鉄道の音色。本当にこの世のものとは思えない世界でした。


夕食は豪華ではありませんが、一品一品に手が込んでいる料理でおいしくいただきました。こうして現代世界から隔絶された*2静かな旅の夜は更けていきました。

*1:決してキリンカップ麒麟杯)だから麒麟山温泉を選んだわけではない

*2:もちろん携帯は通じます