アイルランド - イスラエル

世間的にはマイナーな顔合わせかもしれませんが、個人的には非常に楽しんで見ています。
楽しみな理由としては、2002年のワールドカップアイルランドを好きになってしまったこと。あの時は運良く何試合かスタジアムで見ることができたのですか、その中でのベストゲームは鹿島で見たドイツvsアイルランドの試合でした。実力的には上回ると思われるドイツに先制されたにもかかわらず、粘り強くコツコツと攻撃を続けるアイルランドがついにロスタイムに追いついた劇的な試合でした。


その時に感じたのですが、私にはアイルランドの姿がこれからの日本が目指すべきサッカーに思えたのです。日本サッカーはここ10数年欧州や南米から指導者を招き急速に進歩を遂げましたが、ブラジルやアルゼンチンに成れるわけでもないし、フランスやオランダに成れるわけでもないでしょう。でも、頑張ればアイルランドには成れそうな気がするのですよね。もちろんプレミア譲りの強くて正確なロングフィードは今の日本にはほとんど感じられない部分ですが、それを除けばボールがないところでもとにかく根気良く走るサッカーなど、見習って追いつける可能性はあると思うのですよね。


一方のイスラエルですが、地理的にはアジアでも政治的な理由で欧州に属しているイスラエルが、そのアイルランド相手にどれだけやれるのかが非常に興味がありました。
結果としては内容ではアイルランドに歯が立たなかったイスラエルですが、勝負としてはワンチャンスを逃さず引き分けという結果に持ち込みました。イスラエルのフィールドプレイヤーはそれなりに頑張っているのですが、いかんせんGKが情けない。プレー面ではJ2以下のGKでしたが、演技でアイルランド選手を1人退場に追い込んだのですから、試合には貢献したのでしょうか。でも、その演技に見える倒れすぎがたたって、7分という笑えるロスタイムでしたけれど。


イスラエルの試合を見ながら、もしアイルランドと戦っているのが日本だったら…ということを想像しながら見ていたのですが、欧州の予選に入ったとしたらグループ3位がいいところでしょうね。アイルランドには勝てそうもない。でも見たいな、アイルランドvs日本の試合。ドイツとかフランスのようなワールドカップで第一シードに入るような国とテストマッチをするよりは、アイルランドのような中堅国とやる方が得るものは大きいと思うのですがいかがでしょうか。


試合については開始早々にFKと、後ろからのパスをボレーで決めたロビー・キーンの見事なゴールで先制したアイルランドに対し、ひたすら守るイスラエルでしたが、前半終了近くにFKをヘディングで競り勝って1点差、そして前半終了間際にPKを得て同点。このわずか5〜6分を除けばほとんどアイルランドのペースだったのですが、運にも恵まれイスラエルはアウェイで勝ち点1を得ました。
イスラエルは2〜3人柔らかくボールを持てる選手はいるものの、他の選手はひたすら相手選手に体を寄せて自由にプレーさせないことに主眼を置いて戦っていたように思えました。


対するアイルランドイスラエルの露骨な時間稼ぎに切れてしまったように思います。2点を先制はしましたが、柱となるロビー・キーンの負傷退場後はちょっと攻め倦んでしまった印象です。2002年にはドイツに対して最後まで切れることなく追い詰めていったアイルランドですが、明らかに格下のイスラエルには切れてしまうのだからサッカーは難しいですね。