ツール・ド・フランス 第15ステージ

留守にしていた間の第15ステージを録画で見ました。このレースもステージ優勝争いと、総合争いと、1日で2度おいしい展開でした。まだ前日の第14ステージの録画は見ることができていないのですが、放送前のダイジェストで見る限り、チームとしてディスカバリーに対しTモバイルのかなり厳しいアタックがあったようですね。


この第15ステージでも逃げた集団に選手を送り込んでないCSCのペースアップから総合争いが動き出しました。Tモバイルも勝負を仕掛けますが、けれど皮肉なことに遅れていくのはCSCの選手やTモバイルの大事な選手たち。もちろんディスカバリーのアシスト選手たちも落ちていったけれど、ランスから見れば想定の範囲内の出来事と言う感じで、CSCやTモバイルのアタックも、逃げの集団とのタイム差を詰めるためには好都合という余裕が感じられました。バッソはまだ余裕なものの、だんだん余裕がなくなってくるウルリッヒ。結局は第14ステージの総合争いの選手たちのゴール場面のVTRを見るかのようでした。


スタージ優勝争いもまるで総合優勝争いの縮図を見るような感じで、ヒンカピーを送り込んで余裕で逃げ集団についていっているディスカバリーと、いいところまではいくのだけれど勝負どころで遅れてしまったセビーリャのTモバイル。
先頭がヒンカピーペレイロ、ボーヘルトの3人に絞られた時に、ベレイロとボーヘルトがスタンディングでスピードアップしているのに対し、座ったままで肩も揺らさずに普通に登っていくヒンカピー。後続の総合争いの都合で逃げ集団を引いていないヒンカピーとはいえ、それでもあの時点での余裕の差はゴール前のスプリントの差を予想させるには充分でした。レース展開も味方したヒンカピーのステージ優勝ですが、ゴールの瞬間の『信じられない、俺が優勝しちゃっていいの?』というような表情が印象的です。


ディスカバリーはこの日のステージ優勝も新人賞のマイヨブランも、狙っていないのに転がり込んできてしまうような感じがします。でも、その運を呼び込むのは、大会に至る前の準備がどれだけできているかの差だと思うのですけれどね。総合争いもアクシデントがない限り、磐石になってきたのかな。でも、ランスにステージ優勝がないことをとやかく言われても気持ちが悪いので、どこかですっきりとステージも取っちゃってください。