大宮 - 浦和鹿島

helguera2005-07-23

埼玉スタジアムに行ってきました。
7月の6連戦を締めくくるこの日の埼玉地方は選手へのご褒美か比較的涼しく、7月としては絶好のサッカー日和でした。が、夕方に起きた強い地震のせいで交通機関に遅れや不通区間が発生してスタジアムに辿り着くのも大変だった方も多かったのではないでしょうか。埼玉スタジアムに限らず、関東地方のスタジアムに集われた方、とにかくお疲れ様でした。


さて、試合については両チームとも主力を怪我や出場停止で欠き、選手をやりくりしてのこの試合となりましたが、やはり選手層の厚さの差が如実に現れた結果となりました。大宮のスタメンの中で鹿島の選手と1対1を仕掛けられるのは、藤本選手と桜井選手の2人だけで、他の選手は鹿島の選手が前を塞ぐだけで前にも進めずクロスも上がらず、横か後ろに戻すだけなので中々大宮の攻撃にリズムが生まれません。
対する鹿島はサイドで優勢な状況を作り中にクロスを入れると、中には必ずFWの選手と中盤から押し上げてきた選手が待ち構えていて人数が足りている状態でした。大宮の攻撃がサイドに流れても中の人数が薄いのに比べて鹿島の攻撃の厚さを感じる立ち上がりでした。


それでも大宮の守備陣は鹿島の攻撃を受け止めていましたが、そんな前半26分副審の誤審で唐突に鹿島に先制点が生まれます。鹿島から見て右サイドで起点を作り、ゴール前を横切ったクロスはファーサイドオフサイドポジションで待っていた野沢選手の元へ、そのボールを落ち着いて止めた野沢選手が見事にズドン。
ただこの場面で副審は完全にオフサイドを見逃しましたが、責めるのも酷な状況でした。


大宮の守備陣は3人がゴール前にラインを作り、ここがこの時点でのオフサイドラインですね。そこに鹿島の選手が2人?紛れ込んでいましたが、この鹿島の選手はオンサイドにいました。でも、大外バックスタンド側に1人余っていた野沢選手はオフサイドポジションに2馬身ならぬ2人身くらい前に出ていて、大宮のオレンジのユニと鹿島の白いユニの間から向こう側の芝生がはっきり見えるくらいでした。ちなみに私はこのオフサイドラインの延長戦上のバックスタンドで見ていたので良く分かる場所だったのです。
メインスタンド側に副審がいたのですが、この鹿島から見て右サイドのメインスタンド側に起点ができて、オフサイドラインから5〜10mくらい後方の位置からクロスが入りました。この時点で副審がオフサイドラインにいたのなら、この副審は視線を左後方のボールを見つつオフサイドラインに沿って上下し、蹴った瞬間に首を振り中を確認する。たぶん人間の本能として近くにいる選手から視界に入るでしょうから、副審から見てニアサイドにいる鹿島の選手を確認するとオンサイド、そこからさらに視線を遠くすると(オフサイドポジションにいた)野沢選手がボールに触れるところだった、こんな感じでしょう。


私は逆サイドから見ていて、一番手前の選手がオフサイドポジションにいたのではっきりと分かったし、私の周りの人たちもかなりの怒号で『オフサイドだろ!!』と叫んでいましたが、副審にそれを見切れというのは酷だと感じました。副審の位置がバック側にいれば簡単に分かった判定でしょうが、副審に近いサイドの後方にボールがあって、一番遠い選手がオフサイド。副審がややオフサイドラインより後方にいれば絶対に見えません。線審を両サイドにつけない限りこの判定は難しかったでしょうね。


鹿島にとってはラッキーな形で点が入りましたが、でも勝負に”たられば”はありませんが、この得点がなくても試合の結果は変わらなかったように思います。90分間を通じて大宮チャンスはセットプレーとカウンターとGKと競り合ったボールがクリスティアン選手の足に当たりマウスをかすめたくらいで、鹿島の守備を崩したチャンスはありませんでした。
それに対して鹿島の攻撃は後半になって数知れずあり、追加点の場面も完全に大宮の守備陣を崩しきっていたので0−2という結果は妥当だと感じます。


大宮の攻撃に縦へのスピードがないのか、それとも鹿島の守備が大宮が縦にボールを運ぶのを許さなかったのかは微妙ですが、今日の大宮でチャンスの気配が感じられるのは、藤本選手と桜井選手が絡んだ時だけで、三浦監督が攻撃に高さを求めて桜井選手とクリスティアン選手を交代させた時に、今日の大宮の得点の可能性が消えたと感じました。交代で入ったクリスティアン選手も鹿島の中央のプレスをかわすためにサイドに流れてしまい、サイドで起点を作っていましたが、『それじゃ中で誰が決めるんだよ』と思わず心の中でつぶやいてしまいました。


これで7月の6連戦が終了しました。暑い中選手の体力と見に行く人の経済力と体力に限りない負担のかかった6連戦でしたが、ここで小ブレイクです。6連戦で1勝もできなかったチームはうまくこの期間を使ってチームを立て直して欲しいですし、6連戦すべてに参戦した皆様もお疲れ様でした。
さあ、気持ちを切り替えて親善試合と東アジア選手権だ。広島の試合? 聞かないで下さい。