ツール・ド・フランス 第20ステージ 個人TT

自転車ロードレースとは、これほどまでに残酷なものなのですね。総合3位でスタートしたラスムッセンですが、最初のロータリーで落車。ここまではまだありそうなことですが、その後タイムを失ってからタイヤ交換をしようとして自転車交換、さらに調整して自転車交換。最後は下りのコーナーを曲がりきれず飛び出して前転。180度に近い鋭角なコーナーでもかなり危なかった。
何のトラブルもなく普通に走ったとしてもウルリッヒには逆転されたかもしれないけれど、今日のラスムッセンが失ったのは総合順位だけではなくて、己のプライドもズタズタにされ失いましたね。2人後方で6分後にスタートしたランスに抜かれて、コースの最後方を走っているときの気持ちを想像すると言葉がありませんね。チームカーの中も言葉がなかったでしょうけれど。


さて、そのラスムッセンも危なかった右鋭角コーナーですが、解説の今中さんは「360度に近いコーナー」と表現してましたが、180度に近いコーナーでしょう(笑)。だって360度だったら一周して直進しちゃいますよ。
まあ、そんなしょうもない突っ込みは別にしても、ランスは強かったですね。前半は押さえ気味にスタートしてライバルとのタイム差をうかがい、後半勝負に出る。たぶんウルリッヒバッソラスムッセンにかかっているプレッシャーよりはるかに大きなプレッシャーと戦いながら、それでもトップタイムで走る。どうしてこんなに強い選手が今年で引退してしまうのでしょうね。家族と過ごしたいとか、体調的な部分とかは想像できるのですが、他の選手たちは結局ランスを倒せないまま来年のレースにのぞむことになってしまいました。でも、もうランスもそろそろ家族の元に帰る頃なのでしょうね。