試合後の監督心理

日本代表監督の試合後の会見での表情は相当迫力があったようですが、審判に対する怒りは怒りとして理解するにしても、試合の分析や反省、検討は欠かすべきではないし、それをやらないなら試合をした意味すらなくなってしまうと思います。出場した選手の体感としての経験は残るけれど、チームとしての財産や教訓は残らないですよね。


こちらはヴェルディスタッフの星見さんのBlogですが、その中で高円宮杯で優勝したヴェルディユースチームの柴田監督の言葉があります。
「優勝は嬉しいけれど、それはあくまでも相対的評価であって、問題点まで隠れてしまうような、絶対的評価になってはいけない」というような話だそうです。優勝に浮かれ感情に左右されて問題点を忘れてしまうのではなく、勝った試合でも問題点は分析しそれを補う練習をするそうです。
今回のウクライナ戦について言えば、「敗戦は確かに審判の所為かもしれないけれど、その悔しさに左右されて、試合の勝ち負けという相対的評価にばかり反応するのではなく、あの試合の中身についての絶対的評価を忘れてはいけない」といったことでしょうか。問題点は分析し、次の試合や来年の本大会に生かす、つなげる。


確かに不可解な判定で勝ち負けという結果は出てしまいましたが、それとは別に前半の日本の攻撃や守備、10人になった日本の攻撃や守備、局面での選手の働きなど、忘れずに検討・分析し、次の試合や来年の本大会に生かすべきものは生かさないと、代表チームにとっての財産や教訓が一切積み上げられませんよね。毎回感情的に積み木を崩して、なかったことにして忘れてしまったら、掛けた時間やお金、選手を送り出したクラブやリーグの費用対効果はどうなるのでしょう。一時の怒りの感情が治まったのなら、昨日の試合の中で通用した点と通用しなかった点など、監督が冷静に振り返ってくれているといいのですが。