未来を予測できる力

いや、超能力とかそんな話ではないのです。「こうしたら、こうなる」という結果を予測できない人間が増えているのではないかというような話をテレビでしているのを聞いたのです。例えば、親に毒を盛ってしまう高校生の話とか、クラスメイトの女の子を殺してしまう高校生の話とか。「それ」をしたら、どうなるのか。「それ」をしてどうなることを受け入れる覚悟があるのか。その結果どれだけの人に影響が出て、迷惑がかかるのか。最後の周りに対する迷惑や影響というのは、高校生くらいの年代にどこまで求められるのか、難しいところではあるかもしれません。でも、大人でも「結果を考えてるの?」という行動がありますね。


こちらのマンションが強度不足で自壊の恐れがあるという問題など、大の大人が事件の発端で行動しているわけです。「構造計算書を偽造したら、儲かる」ではなくて、「構造計算書を偽造したら、捕まる」とか、「構造計算書を偽造したら、多数の人に迷惑がかかる」とか、「構造計算書を偽造したら、そこに住む人が危険にさらされる」とか、どうしてこんな簡単な未来が予測できないのでしょうか。それすら曇らせるような、強力な圧力や金銭的魅力が偽造する行為にはあるのでしょうか。


決して犯罪を肯定するわけではありませんが、精巧な偽札を作って国家権力を騙すとかなら何となく気持ちも分かります。でも、すぐにでも発覚するような偽造書類を作って自分と同じ立場の弱い消費者を騙す。なんでそんなことをしてしまうのでしょう。何でそんなことをしたのかと問い詰めれば、「魔がさした」という答えになるのかもしれませんが、ほんの少しまともに未来を予測して考える力があったら、起こさない事件だしこんなに多くの人に迷惑がかかり、多くの人が心を痛めることもなかったのに…、そんなことを考えてしまいます。


耐震偽造:構造部分のコスト削減、「建築主、気にしない」 毎日新聞