サンパウロFC - リバプール

helguera2005-12-18

横浜国際競技場に行ってきました。
今日は16時20分から3位決定戦もあったのですが、眠かったなぁ。得点は3−2という変化の多いスコアでサプリサがアルイテハドを押し切りましたが、得点は入るもののそれ以外の場面で何だか集中できないのです。アルイテハドのパスは常に足元パス。サプリサのパスは相手DFの後ろに長いパスでFWを走らせる。試合に勝つために、得点を取るためには間違いではないと思うのですが、試合を鑑賞する観戦者には厳しい試合でした。


そんな3位決定戦の後に行われた決勝戦ですが、スタメン発表でモリエンテスの名前がコールされて、個人的には盛り上がりました。試合開始直後に右サイドからの早いクロスにモリエンテスが合わせるものの左に外れます。惜しかったなぁ。


本当はサッカーのことだけをこのように書きたいのですが、試合が始まってすぐにピッチ上に乱入者がありました。どこから侵入したのか分かりませんでしたが、私が見ていた側のゴールに向かって走りこんで来ました。欧州のてテレビ中継などで乱入はたまに見かけますが、ほとんどの場合はすぐに取り押さえられます。しかし、この日の警備は情けなかった。ゴール前でかなりの時間、乱入者は自由に行動をしていました。ゴール近くにいるピッチのまわりの警備員は皆スタンド方向を向いているので、乱入者の存在に気がついていないのか、気がついても体が反応しないのか。危機管理能力がないと言われることの多い日本ですが、スタジアムの警備も危機意識がないですね。あの犯人が危険物を持っていたら、GKや選手の身に危害を加える時間は充分ありました。警備をする原点が「異常事態が起きない」前提で始まっているのか、「異常事態が起きて」からの反応が異常に遅くて情けなくなりました。その時間以降アルバイトの人間をピッチのまわりに並べていましたが、万が一現地から来ているサンパウロサポやリバプールサポが暴れたら、あのようにか弱い警備では何も出来なさそうです。


試合に戻ると開始早々に何度かリバプールがチャンスを作ったものの、前半途中からは明らかにサンパウロペースになり、リバプールはボールを前に運ぶことがむずかしくなってしまいました。サプリサ戦では余裕でボールを動かしていたリバプールでしたが、さすがにサンパウロ相手では同じようにはいきませんでした。そんな前半27分に右サイドのセンターライン付近のリスタートで少し間があったあとにサンパウロが素早くボールを中に動かし、リバプール守備陣が捕まえる前に走りこんできたサンパウロミネイロにあっさりと先制点を決められてしまいました。この一瞬だけ、リバプールの選手たちに隙があったかな、それともサンパウロのリスタートの仕方にマリーシアがあったのか。でも、この得点で試合の流れが決定付けられ、結果的には優勝の行方が決まりました。


1点のリードを拠り所に焦って無理してまで攻めないサンパウロに対し、追いつきたいリバプールは猛攻を仕掛けます。特に後半は何度もサンパウロのゴールネットを揺らしますが、その度にオフサイドの判定で選手たちの歓喜がぬか喜びに変わってしまいます。私がいた位置からは逆サイドの出来事だったので、オフサイドが妥当なものかどうかは分かりませんが、試合後の表彰式で表彰される審判団に対しリバプールサポからの強烈なブーイングが印象的でした。


試合はそのままサンパウロが1点のリードを守りきり優勝を決めましたが、試合終了後のサンパウロの選手たちの喜び方を見ると、この大会をやってよかったなと正直に思いました。昨年までのトヨタカップより試合数も増えてチケット代も高くなり、開催国の試合観戦者には果たしてどれくらいのメリットがある大会なのだろうと疑問に思うことも多いのですが、選手たちが優勝してあれほど喜びを表す大会なのだとしたら、この寒い時期の連続ナイター観戦も満更悪くないな、などと思いました。今日の横浜も寒かったのです。特に2試合で5時間以上スタンドにいたのですから、本当にきつかった。でも、表彰式直前のサンパウロ選手たちの喜ぶ姿を見ていたら、この一週間の辛さまで吹き飛んでしまいました。


スタジアム内が暗転し、トヨタカップの授与とともに吹きだす紙ふぶき。演出としては何度も繰り返されて次の展開が分かりきっている演出なのですが、優勝カップを高々と上げる選手のまわりで勢い良く吹きだされる紙ふぶきと言うものは何度見てもいいですね。
Jリーグでの戦いの遠い遠いその果てに、今夜の決勝の表彰式がつながっている。実感としては持ちにくいのですが、Jのクラブにも優勝の可能性のある大会なのですよね。今大会で6大陸のすべてのチームを実際に見ましたが、まだまだ実力の格差が天と地ほど離れているのは事実です。でも、可能性はゼロではない。限りなくゼロに近いのですが、それでもゼロではない。開催国枠が話題に上っていますが、できればACLを勝ち抜いた日本のチームが堂々と出場して決勝まで進んで欲しい。そんな夢のようなことを考えてしまう表彰式でした。
来年のファイナルの場にヴェルディがいる可能性もゼロではないのだけれど、夢のようで実感としては想像もつきません。まあ、来年はJ2というのが現実なのですけれど。