キャスト・アウェイ

スカパーのトム・ハンクス特集で『プライベート・ライアン』と『キャスト・アウェイ』を見ました。『プライベート・ライアン』も大作ですが、私は『キャスト・アウェイ』の方が好きです。どちらも「生きる」というテーマを描いていますが、描き方の違いが両極端ですね。


プライベート・ライアン』のラストシーンでトム・ハンクス演じるミラー大尉が、マット・デイモン演じるライアン2等兵に告げるセリフなどは胸を打ちます。でも、やはり戦争映画は取り上げるテーマが何であれ好きだとは言い難いです。心のどこかで否定している部分があるし、作り物の映画ではあるとはいえ、これに近い現実が、もしかしたらそれ以上に悲惨な事実があったことだと思ってしまうと、やはり複雑な心境になってしまいます。


そしてもう1本の『キャスト・アウェイ』。前半部分の島での時間が映画の大半を占めますが、私が好きなのはラスト30分、それも特に雨の中でヘレン・ハント演じるケリーと再会して話す場面。相手を想う気持ちと、相手を思いやる気持ちの葛藤。お互いを想う気持ちの切なさが、伝わってくる名場面だと思います。
どんなに苦しいことがあっても、どんなに絶望的な状況でも、生きている限り呼吸をし続けること。「しっかり生きろ」というメッセージではなく、「とにかく生きろ」という極限のメッセージ。公開当時に映画館でも見ましたが、何度見ても時々見たくなってしまう映画です。