磐越の旅

helguera2006-01-18

昨年の12月から大雪のニュースが続いています。私もスノーボーダーなので雪が降らないよりは降るほうが嬉しいのですが、被害が出るほど降りすぎるのもかえって複雑な心境になってしまいます。一方で雪のために苦労したり命を落としたりしている人がいる中で、雪遊びなどをしていてもいいものか。でも、雪に対してそのように神経質になってっしまうと、かえってスキー場や観光産業で働いている人々に対しての風評被害のような二次被害になってしまいます。そんなわけで、アルツ磐梯スキー場に行ってきました。まあ、そんなに難しく考えることもなく、『スノーボードが楽しいから行く』でいいと思うのですけどね。


東北自動車道に乗って3時間、アルツ磐梯スキー場は快晴とは言わないけれどまずまずの天気。今年の冬は寒いので雪質もそれなりに期待していたのですが、数日前に一度暖かい時期があったのでその時に溶けて固まってしまった硬い雪質でした。青光りしているようなアイスバーンではないので湿っている雪よりは滑りやすいけれど、それでも滑る音が『ガリガリガリッ!!』という音がするのは気持ち悪いです。北海道の柔らかい雪が懐かしい。
それでも4時間ほど空いているスキー場を気持ち良く滑りました。


車に戻って今回のもうひとつの目的地である新潟県の村杉温泉に向かいます。猪苗代周辺からなら磐越道を走れば約1時間で新潟県です。今回の旅は雪山と海の幸という相反するテーマをこなすのが目的なので、福島県周辺には宿泊せず、一路新潟に移動しました。途中の道には昨年訪れて好印象だった麒麟山温泉などもあるのですが、海の幸ということでもう少し日本海側に移動しました。


その村杉温泉は、磐越の山々が日本海に向かって新潟平野に達する山と平野の境目にあります。温泉と言っても山間の秘湯とかではなく、平野の行き止まりにひっそりと集落があって、その外れに温泉が湧いている、そんな印象です。
特に山を背負った温泉街の外れにある村杉温泉共同露天風呂はいい感じです。温泉神社が小さな山の中腹にあり、その少し下に露天風呂があります。眺望がいいとか、お湯に特徴があるとか、そんな派手なところは一切ないのですが、村の外れの静かな出湯というか、何とも言えない風情があります。この温泉周辺だけ時間がゆっくりと流れている、そんな風情です。後ろには温泉神社とうっそうとした木立、前には小さな温泉街、遠くには夕焼け。日本もまだまだ捨てたもんじゃない。


今日のお宿は村杉温泉の角屋旅館です。こちらは部屋数が10部屋しかないこじんまりとしたお宿で、無料の貸切露天風呂『杉こだちの湯』がとてもいい感じです。庭園というよりは裏庭と裏山が見えるだけなのですが、それでも静かな時間を貸切の露天風呂で過ごす贅沢さはとても良いです。お湯も熱すぎずぬる過ぎず、湯船の広さも大きすぎず小さすぎず。掛け流しと思われるお湯が湯船からこぼれると下の池で泳ぐ鯉は大丈夫なのかと心配になるけれど、お湯のこぼれる音もいい感じ。
お料理はこちらの海鮮プランでいただきましたが、食べきれないほど食材が出てきて大変でした。夜も10時を過ぎると温泉街はひっそりとして、静かな夜が更けてゆきました。