レアル・マドリー - カディス

時間の関係で後半のレアル・マドリーが逆転するところから見ましたので、試合全体ではなくごく一部の感想です。ですが、調子が上向いてきたレアル・マドリーの勢いは凄い。
相手ゴール右45度位の位置から、ロベルト・カルロスがボールを動かしてできた壁の割れ目から左足でズドンと豪快なフリーキックを決めて、わずか数分後にはベッカムがほとんど同じ位置から右足で壁の右上を巻いて決める。2度目のフリーキックの時には、1度目の反省から絶対に割れないような壁を作っていたのですが、あざ笑うかのようにボールは壁の右上から落ちてきました。どちらの得点も壁を通過した時点でGKにはノーチャンスの素晴らしいシュートでしたね。そしてカディスが攻めなければならなくなった残り時間に、DFラインを上げようとした守備陣に対し、絶妙のタイミングで出されたグティからのスルーパスに反応したロビーニョが、かなり遠目の位置からGKの動きを見定めたスピードのあるループシュートでダメ押しの3点目。カディスに先制されたレアル・マドリーでしたが危なげなく逆転勝利しました。


この試合の後半を見てあらためてレアル・マドリーの調子の上向きさを感じたのは、上記の攻撃よりもむしろ守備でした。ベッカムジダングティバティスタらのスーパースターがファール覚悟で相手のボールに寄せて、相手選手を自由にさせない守備をする。結果として相手にフリーキックを与えてしまうけれど、それでもスピードに乗った攻撃は絶対に許さないという守備意識の高さは窺えました。
それに対しレアル・マドリーシシーニョロビーニョの両サイドはスピードに乗って相手のサイドを駆け上がっていく。中央でスーパースターたちが行うパス交換とサイドの選手がスピードにまかせて行う突破のバランスが実にいいですね。調子の悪い時のレアル・マドリーはサルガドとロベルト・カルロスが上がりきったポジションでボールを待つような攻撃で、サイドにボールが渡った時には相手もつめていて後ろにボールを戻す姿を多く見かけましたが、今はサイドの生かし方がいいですね。


監督が変わるだけでこれほどまでに選手の意識が変わるものなのでしょうか。監督の与える影響は偉大です。