SAMURAI BLUE 2006

helguera2006-01-28

代表スケジュールも発表され、いよいよワールドカップの年がスタートした実感がわいてきましたね。
ジーコ監督会見(1/2) スポナビ
ジーコ監督会見(2/2)

W杯イヤーで、特に本大会で一番彼らに要求したいのは、今まで通り“強い精神”です。絶対に負けないという、相手がどんなに強豪であっても、自分たちが今まで培ったものをすべて出せるような強い精神を発揮してほしい。これだけを、私は選手たちに望みたい。

逆説的な言い方ですが、チームとしての戦術や組織的な守備などを重要視しない現在の代表では、強い精神というものは唯一の拠り所であって、それがくじけたら帰る場所はなくなってしまうわけです。例えば多少選手の気持ちにバラツキがあったとしても、全員が理解しているチーム戦術があれば帰るべき場所はあるわけです*1。ですが現在の代表チームでは、チームをチームとして成り立たせているものは『試合に勝とう』という気持ちが唯一絶対のものに感じるのです。本大会まで半年を切ってしまった現在、それが良いか悪いかを論じる時期は過ぎたと思っていますが、だからこそどんな強豪相手でも「絶対に勝つ」と思える強い精神の選手を選んで戦って欲しいですね。

最初に私が来日した当時、サッカーがまだあまり確立されていない時代には、勝負に対する執着というものは欠けていたと思いますが、十数年が経過して、W杯に出場するようになって、特に自分が代表監督に就任して大きな大会を制した中での、通常であれば負けてしまうケース、あきらめてしまうケースを、彼らの精神の強さ、終了のホイッスルが鳴るまであきらめないとう気持ちの表れで、グループが勝ちをもぎ取ってくれました。
(中略)
侍と言うと、最後には雌雄を決するというか、命を投げ出してというイメージがありますが、私たちのチームはそう簡単に命を投げ出して敗戦することはなく、最後までどん欲に勝負にこだわっていきたいと思います。

そうなのですよね、侍の精神とは潔さを重要視するように感じてしまうのは私だけでしょうか。最後の最後まで勝利をあきらめないとか、勝ちに執着するイメージは侍という言葉からは思い浮かばないのです。まあ、これは日本代表のサッカーに関することではなくて、今回のキャッチフレーズに対して感じる違和感ですが、侍と言えば腹切りでしょう? 主君のために身を挺するという忠義や規律は思い浮かびますが、日本の侍は相手の傘下に寝返ることも多いような…


本題から逸れました。確かに現在の日本代表チームの勝負強さというのは、一昔前に比べれば格段に向上していると思います。ロスタイムに点が動くときは相手に取られるものということが多かった時代もありましたが、最近はロスタイムに日本が得点することも多くなってきた。本大会でも、最後の1分1秒まであきらめずに戦って欲しいですね。そのためには早い時間帯で守備が崩壊して相手に大量点を与えないことが必須ですが。

――本大会までは、テストなのか、チームの熟成なのか、どちらに比率を多く置いてチームを作っていくのでしょうか?

W杯前の最後の期間なので、個人のテストは必要ありません。若いメンバーの中で、アピールや彼らが持っているものをいかに生かせるかを見る意味では、試合を大切にしていきたいと考えています。

もうほとんど選抜テストではないということですね。ファミリーの中で調子が良かったり、結果を出している選手を使うだけでテストはしない。結果として使う選手と使われない選手は出るのだけれど、テストで決めるのではなくてその時の状況(怪我をしてしまったので外れたとか、誰かの代わりに出たら結果を残したとか)で選んだ選手を使っていく。競争意識は必要だけど、今すでに選ばれている選手同士は競合するライバルではなくてあくまでファミリーのメンバーということなのでしょう。

――W杯に向けて、2月28日のボスニア・ヘルツェゴビナ戦で平山選手を招集する考えはありますか?

若い選手に対しては、彼の精神状態を含めて、いつどのタイミングなのか、もう少し見る必要があると思います。彼が最近得点しているからといって投入して、彼がそこで挫折してしまったら、日本にとって多大な損害というか、優秀な選手を失ってしまうことにもなりかねないので、じっくりと考えていきたい。周りの選手との連係やいろいろなことを考えながら代表チームを構成していくのが自分の考えなので、今まで貢献してきた選手が最近結果が出ていないからといって切ってしまうことはしません。

旬の選手を自分から招集するよりも、誰かが怪我で外れた時にチャンスが回ってきて、そこで結果を残した選手が定着していくのが今の代表チームだと思っているので、平山選手が召集されるかどうかは、代表チームの運命次第だろうと思っています。平山選手がコンスタントに結果を出しているだけではダメで、ちょうどその時にFWの誰かが怪我で代表を外れる、こんな運命が回ってきたときに初めて平山選手にチャンスの前髪が見えるのだと思います。あとは掴めるかどうか。


何だかんだ言っても、ワールドカップで日本代表に活躍して欲しいのは当然ですから、本当にいい準備をして欲しいですね。

*1:リンク先の中澤選手のインタビュー要旨が私の考えに近いと思っています。