福岡 - 大宮

録画してある東京ヴェルディの試合を見ないで、博多の森で5年ぶりに吹いたJ1の風を見ていました。(NHK−BSのアナウンサーがそんな事を言っていたので、真似してみました。)


福岡にとってはホーム開幕戦ということで、前半は試合開始直後から選手の出足が恐ろしく早く、大宮はパスをつなぐことすらできません。そしてスローインから風のように前線に入り込んできた左サイドのアレックス選手がボールを受けて左足でファーサイドのサイドネットに突き刺す見事なシュートで先制しました。この場面以外でもアレックス選手の運動量と攻撃参加は素晴らしく、あのキレのある動きでそのまま日本代表の左サイドに入ってくれないかと思うほどでした。だって、今のユニフォームがそのまま使えるじゃないですか。
福岡の話に戻しますが、先制点の場面以外も前半の攻撃は素晴らしかった。大宮ボールに高い位置からプレッシャーをかける積極的な守備からの多彩な攻撃。FWのポジションに入っていた川島選手もDF登録の選手とは思えない身のこなしでシュートを打つし、福岡の全員攻撃全員守備のようなサッカーは見ていて面白かったです。福岡の圧力に押されて、前半の大宮のシュートはセットプレーからの1本だけだったのではないでしょうか。前半は1−0で福岡リードのまま終わりましたが、3−0になってもおかしくないような内容だったと思いました。


大宮から見れば1点差で前半が終わったのはラッキーでしたね。前線の1トップのマルティネス選手はまったく機能せず、早い時間に桜井選手に代えるだろうと思っていたら後半頭から交代してきました。また前半は福岡の攻撃にズタズタにされていた大宮の守備ですが、ここも純マーカス選手をボランチに投入することで改善しました。
前節の開幕戦は最終ラインに入っていたトニーニョ選手でしたが、この試合では中盤の藤本選手の怪我による離脱の事情もあってか、冨田選手と奥野選手で組むCBの一列前に入りました。最終ラインの前で守備の防波堤を築きつつ攻撃の起点のパスを出して欲しいという起用意図なのだろうとは思いましたが、福岡の早い攻撃にあってブロックとしての大宮の守備はまったく機能していなかったのでこの交代も予想通りでした。対人に強いトニーニョ選手を最終ラインに入れてその前に純マーカス選手の守備意識の高さで福岡の攻撃を止める。この交代までは予想できましたが、まさか純マーカス選手があれほど攻撃の起点になるパスを出すことは予想外でした。中盤に2人の小林選手が加入して、昨年まではレギュラー安泰だった純マーカス選手も尻に火が付いていよいよ眠れる才能を開花させているのかもしれませんね。
これでボールポゼッションを高めた大宮は前半よりもペースを取り戻し、セットプレーから同点に追いつきます。得点の前の後半18分という早い時間帯で3枚目の交代カードで長身FWの森田選手を投入するなど、三浦監督の積極采配が実った結果の同点でした。


同点以降は福岡も攻撃の圧力を再び高め、それ以降の25分間はどちらも引分けなどプライドが許さないというような、面白い攻め合いのサッカーを展開しました。どちらにも惜しい場面はありましたが、それからは得点は動かず結果はドローということになりました。しかし、同点になってからの時間帯はかなり面白かった。どちらかの応援をしている人にとってはチャンスとピンチが交互に訪れて心臓に悪い試合だったと思いますが、どちらが勝ってもOKという立場で見ていると、気楽に楽しめました。願わくば2−2の引き分けなどという展開も面白そうだったのですが、両チームのGKのプレーも素晴らしく締まった試合のまま終了となりました。


これで大宮の試合を2試合続けて見たことになりますが、どちらの試合も前半は機能しているようには見えませんでした。三浦監督のスタメンが機能していないのか、マルティネスが機能していないのか、対戦相手が試合開始から飛ばしてきているのか。そして選手交代からの後半からはチームが機能するのは監督の修正能力が高いのか、桜井選手が機能しているのか、前半から飛ばしている相手が落ちるのか。まあ、これらのいくつかの要素が重なった結果だと思いますが、補強した中盤が機能するまでにはもう少し試行錯誤が続くのかなとも思います。2試合で勝ち点4を取ってるチームを心配している余裕もないのですけれど(笑)。