日本サッカーが世界一になる日 第1回

NHKの教育テレビの番組に川淵会長が出演していました。
知るを楽しむ NHK
以下は川淵会長の言葉の要約。

過去二回サッカー協会からジーコに監督就任の打診をしていたが断られていた。ジーコは監督になるつもりはなく、ブラジル代表監督でも断るつもりだと話していた。ダメだろうと重いながら(2002年が終わった時に)もう一度聞いて見ろといったら、やってもいいという返事が返ってきた。万が一と思って言ったら、万が一が来て興奮した。ジーコは日本代表のトルコ戦を見て、日本代表ならもっといけるという気持ちの時にオファーがあったらしく、日本サッカーの発展に最大限貢献したいと話していて、日本代表が強くなる為にはJリーグの発展が大事であると、いろんな話をしてまったく同感だった。

トルシエジャパンは「僕の言うことを黙って聞けばいいんだ」という狭い範囲で選手の自由度を認めていただけで、いちいちプレーに対してこうやれああやれと指示が飛んだ。そういうトルシエ監督の後で、ジーコ監督は自由に思うように、貢献のやり方を自分で考えるように言った。ジーコ解任の動きには意に介さなかったが、解任を考えた(のはシンガポール戦の同点に追いつかれていた)20〜30分間があった。
もしシンガポール戦に引き分けるようなことがあれば、(一次予選)最終戦オマーン戦の結果次第では一次予選敗退もありうる。このシンガポール戦を引き分けていたなら、チームに大きな刺激を与えて変化を促す為に監督交代しかないと思っていた。引き分けると解任、スタンドで次の監督を誰にするかばかりを考えていた。誰に相談するわけにもいかないし。しかも暑いシンガポールで、何となくプレッシャーもかかって神経もおかしくなりかけていて、500mlのペットボトルを10本も飲んだ。藤田選手の勝ち越し点で、このまま終われと思い、ホッとして力が抜けた。
それまでの試合では試合の中身について気にしていたが、この試合が終わった時には試合の中身など一切気にしなかった。内容を気にするのは愚かだという悟りをはじめて開いた。とにかく勝ちゃいいんだと、タイトルのかかった試合は。中身なんかどうだっていい。99%素晴らしい試合をして、引き分けるのでは話にならない。試合後のマスコミ対応で、マスコミに監督の進退について聞かれたときに、「勝ちゃいいんだ、勝ちゃ、中身なんかどうでもいいんだ」と心からそう思って発言したのが自分としても印象的だったし、それ以降ジーコ監督を解任と考えたことは一回もなかった。

この日が日本サッカーが世界一になる日堕落した日じゃないのかと思ってしまいます。

ジーコジャパンで問題だったのは、国内組と海外組という存在。海外組が帰ってくるとレギュラーで、国内組のしらけムードが目立った。しかしアジアカップで厳しい戦いの中で優勝したことで国内組の意識が変わった。優勝後のロッカールームで水のシャワーで喜んだ時の一体感や国内組の自信がチームの大きなターニングポイントになった。

最後の最後に自分の意志を明確に明らかに主張することができた。ジーコ監督が選手を信頼して敬意を払っていたから選手がやることに気がついて成長した。
ドイツでのベスト16は非常に難しいが、選手が成長しているから十分可能である。何よりも自分が頑張らなければいけない、そうすればできるという気持ちを選手全員が持ったことが大きかったし、それがジーコ監督の下での成長だ。


三浦アツ選手や中沢選手の言葉には心動かされる部分もあるのですが、会長の言葉には空しさを感じてしまう。三浦選手や中沢選手のコメントを聞いた後には、バーレーン戦の決勝点をあげた小笠原選手の「みんなで取った1点なので…」という言葉が違った意味に聞こえますね。
選手には頑張って欲しいし、頑張っている選手もいると思うけれど、それでも協会の仕事としてはそれでいいのかという気持ちが拭えません。詳しくは、また書くかもしれませんが、今日は要約のUPで。