トッテナム - ボルトン

今日から5月ですよ。ワールドカップが開幕して日本の初戦まで6週間です。早いものですね。ということで、試合の感想というよりは、日本代表のキーパーソンであると思われる中田選手の感想です。


リーグ終盤に掛けて詰まったスケジュールの中でスタメンが多くなった中田選手ですが、この日もスタメンでした。開始早々に自陣中盤で受けたボールを相手選手にさらわれて決定的なピンチを招いてしまいますが、ここは味方の選手がイエローカードで止めてくれました。でも、あのような奪われ方は少し前の中田選手には少なかったと思うのですが、何らかの変化で増えてしまったように感じるのか、それとも以前からあったけれど基本ポジションがもう少し前だったため今よりは目立たなかったのか、気になるところです。


しかしこれで強烈に目が覚めたのか、このプレー以降の前半の中田選手は強烈な自己主張の輝きを放っていました。前半9分にはボルトンお得意の前線へのロングボールをボルヘッティ選手が落としたところに走りこみ右足を振りぬきますがアウトサイドにかかったシュートは強烈にポストを叩きグラウンド内に跳ね返ってしまいます。相手DFが寄せてきているシチュエーションの中で浮いたボールを枠に入れるのも技術の力やあわてずに冷静にシュートの方法を選択する精神力や判断力なのかもしれません。でも、ここ1〜2年の中田選手の境遇を考えると、以前なら枠の中に跳ね返って良い得点につながり、結果的に悪くなりかけた自分の立場を救ってくれるシュートだったかもしれないものが、この数年は外に外れているような気がします。運命とか星の動きとかを気にするタイプではありませんが、それでも20歳前後の中田選手の「何でもかんでも中田選手にとって良い結果が出そう」な流れとは違ってきているような気がしてなりません。気のせいならいいのですが。


そのプレー以降も前半はボルトンがロングボールやロングスローを使って押し込み、カンポ選手の惜しいシュートなどチャンスを作りますが決められません。中田選手も時に自陣中盤で、時に相手ゴール前でボールに絡みますが、ポストに当てたシュート以降は決定的な仕事はできませんでした。1人の中盤の選手としての平均点以上の仕事はしていると思うのですが、来期の契約が不透明な情況の中で、ボルトンをはじめ他のクラブに対してアピールにつながるプレーができていたのかと問われればそこまではいっていないと言うところでしょうか。


後半はトッテナムが押し込み返してきて、中田選手をはじめボルトンの選手の存在感が消えてしまい、中田選手も途中交代で下がってしまいました。コンディションは好調で問題なさそうだし日本代表にとっては比較的消耗していない中田選手が合流してくれるのは歓迎ですが、中田選手の来期を考えると複雑な気持ちになってしまう試合でした。