戯言

helguera2006-06-13

気分転換に、こんな選手をFWに入れて、相手選手の戦闘意欲を奪うっていうのは、どうでしょ。


オーストラリア戦の問題点について、いろんな意見を集約すると次のようなものでしょうか。
(順不同)
1. 決められないFW、シュートを打たないFW
2. 遅い選手交代、不可解な小野投
3. 間延びした中盤、がら空きのバイタルエリア


1つ目の決定力や積極性、リスクチャレンジはもう分かりきっていることだから、今さらこの試合でどうにかなるものではないし、シュート練習をしたからといって急に決定力が上がるわけではない。総シュート数が6本で枠内シュートが2本と言うことですから、言い方を変えれば良く1点取ったとも言えます。相手のGKのミスと微妙な判定を流してくれた審判のおかげかもしれませんが、あの1点だけで勝てるほど甘い相手でもない。


2つ目の遅い選手交代。まあ、分からなくもないのです。坪井選手の怪我で1枚を使ってしまっていたこともあるし、勝っている段階で自分から動くような策士でもない。『勝っているチームをいじらない』という哲学は、試合にまたがってのことでもあるし、90分の試合内のことでもあるのでしょう。リードしている時間帯に「ここで玉田を入れたら、効くなぁ」とは思いながら見ていましたが、絶対に玉田投入というほどでもなかった。ただ、1−0のまま逃げ切るのか、2点目を奪って試合を決定づけるのかの監督からのメッセージが明確ではなかった。
これは小野投入でもはっきりすることなく曖昧なままでした。小野選手のところでボールを落ち着かせたり、そこからの展開で2点目が取りたかったのかもしれないけれど、守備の苦手な選手をあの時間帯に投入するリスクは高かった。小野にボールを預ける前に、相手からボールを奪う選手や、こぼれ球を拾う選手が中盤にいなくなってしまったことが痛かった。


3つ目の問題が、実は一番残念でした。これは現象としてのがら空きの中盤という以上に、それを引き起こした選手間の意思の乖離が辛かった。
2番目の小野の投入にもからみますが、同点になって攻めに行きたい攻撃陣と守りきりたい守備陣。以下は宮本選手の試合後のコメント

1−1になったときに、引き分けでもいいのか、それとも勝ち越しのチャンスを狙うのか、若干ゲームのリズムも変わってしまった。前の選手は点を取りに行っていたし、後ろとしてはカウンターを食らいたくないというのはあった。

これについては誰かを責める訳にはいかないのですよね。その選手はその選手に与えられたタスクを精一杯こなそうとした。攻撃の選手は攻撃的に、守備の選手は守備的にいっただけ。でも、結果的にチームはバラバラになってしまった。極限状態になった時に、「自由」と「自主性」だけではどうにもならない場面があると思うのです。ピッチ上で「話し合い」をしている暇はない。そんな時こそ監督の出番でチームを一つの方向に向ける場面だと思うのですが。


負けは負けとして、1敗という結果は受け入れなければならない。でも、それ以上に心配なのが、チームが空中分解すること。後半の厳しい時間帯にベンチが映ったときに、アップもしないで座っている稲本選手とか小笠原選手とか。失点した時に声を上げてチームに激を飛ばす選手もいないし、下を向いて俯くばかり。ファミリーかもしれないけれど、チームにはなっていない。個々の集まりでは、戦えない。試合を始める選手、終える選手、ベンチやチームを盛り上げる選手。そんな役割分担が見受けられない。1人笛を吹き続ける中田ヒデ選手、だけど誰も踊らないチーム。1つの負けは次に勝って取り戻せばいいけれど、空中分解しているチームはそのままでは立て直せない。この部分が一番心配です。


ヒディンク監督のこの言葉が重い。

われわれは日本のMFを研究して勝つことが鍵だった。ラッキーだったのは確か。しかし、運を手繰り寄せるには、何かを実行しなければならない。計画があり、実行してこその運。実行したから運がついてきた。

日本は何を実行したのか。


オーストラリア、ロジカルな勝利 スポナビ 中田徹さん
4パーセントの望み スポナビ 日々是世界杯 宇都宮徹壱さん
豪州3−1日本 ──日本、後半39分からの3失点で逆転負け 大住良之さん
監督の差で負けた…疲労福西なぜ代えない セルジオ越後さん
2006_ワールドカップ日記・・オーストラリア戦 湯浅健二さん