QF 1日目

月が変わって、ようやく”ちゃんとした”サッカーの話題です。


ドイツ - アルゼンチン
選手交代の綾を感じる試合でした。特にGKの負傷交代という思わぬハンディを背負ってしまったリードするアルゼンチン。守りを意図したかのような残り2枚の交代枠。それに対し攻撃的な交代を仕掛けてくる後がないドイツ。私は現地でアルゼンチンの試合を2試合見た中で、アルゼンチンサポーターに親切にされたので全力でアルゼンチンを応援していたのですが、結果は残念なものになってしまいました。


それでも守備的な交代カードを切り終わった後のドイツの同点激だったにもかかわらず、あそこで下を向くことなく勝利への反発を試み、ましてや延長線に入ってからのドイツを押し込んだアルゼンチンの攻撃は恐れ入りました。前線に投入されたクルスがあまり機能していないのに、それでも残りの選手たちで何とかしてしまう。特にテベス、アルゼンチンが勝ち越すとしたらテベスの1発だと思ってみていたのだけど、残念でした。PK戦はもう、ドイッチェラン国民の気持ちがドイツ選手の蹴るボールを強く押し出したとしか思えませんでした。


イタリア - ウクライナ
試合展開としてはウクライナの先制か、または前半は0−0でいかないと面白くないな、などと思いながら中立で見ていたのですが、予想に反する展開。勝敗の行方は決っちゃったかなと思いながら見ていましたが、それでもイタリアの攻守の切り替えの美しさには見とれました。下がって引いて守ることが世界的傾向ではなく、あのイタリアでさえ中盤の選手から激しいプレッシャーを高い位置でかけて、相手のプレーを自由にさせず奪えたらショートカウンターを仕掛ける。その時の動き出しは前線の選手だけ出なく、ボール奪取点の近くにいる選手全員が一直線に走り始める。その一瞬の動き出しの早さが、次の局面の数的有利を作り出す。日本代表のDFやMFの選手たちに感想を聞いてみたいイタリアの守備でした。


ウクライナは厳しかったですね。守備はそこそこいけていても、攻撃でボールを前に運べない。または運ぶことに精一杯で、フィニッシュの精度まで気が回らない。攻撃は個のアイデアだと言いますが、最後のフィニッシュやラストパスには個のアイデアも必要だと思うのですが、ペナルティエリア近くまではもう少しオートマティックにボールを運べないと、最後の勝負を仕掛ける権利さえもらえない。日本代表よりしっかりしたサッカーを展開しているウクライナにさえ感じることなので、いわんや日本のサッカーは…、自由と自主性などとは根拠のない驕りがあったのか、ピッチ全面で考えることではなくもっと狭い局面で考えることだったのか。



今日の2試合でドイツ国内はさらなる盛り上がりになっていることでしょう。さて、今晩はどんな試合にになるのやら。楽しみではありますが、気がつけば残りは6試合。3位決定戦はまた雰囲気が違うので、真剣勝負は5試合しかなくなってしまいました。日本の雑音に惑わされることなく、残り少ない貴重な時間を楽しまなきゃ。