日本 – イエメン

helguera2006-08-16

新潟スタジアム ビッグスワンに行ってきました。
まずはじめに、「走る」がキーワードのオシム監督ですが、今日の試合で一番走っていたのは、イエメンのチームドクターですから、残念!


あー、すっきりした。それにしてもイエメンの選手は良く倒れて寝ていましたね。確かに日本選手に比べて一回り体が小さいし、巻選手や田中闘選手に比べると頭一つ小さい感じでしたが、良く痛みましたね。主審も最初は相手になっていましたが、後半終了間際はイエメン選手が倒れているのを確認しても、日本の選手にプレーを続けるように促していましたから、飽きたというか呆れていたのでしょう。この試合で一番疲れたのは、イエメンのドクターと新潟の担架隊でしょうね。


イエメンのフィジカルコンディションもどうかと思いますが、それにしても今日の新潟は暑かった。天気予報では36度と言っていましたが、日中の体感気温は日差しも強くそれ以上はありました。タクシーの運転手さんに、「新潟って、こんなに暑いのですか?」と聞いたら、「昨日からだよ」と言われたので今年の日本代表はドイツから試合の日は暑くなるのがお約束のようです。「考えて走る」がキーワードのオシム監督のチームとはいえ、午後7時を過ぎても蒸し暑く風が吹き抜けない新潟スタジアムは厳しいのではないかと思っていました。ましてやイエメンは力関係を考え、『3人で攻めて9人で守る』ような感じを徹底していましたから、格下とは言え日本にとっては戦いにくい相手でしょう。相手が攻めてくれば走るスペースもありますが、相手が出てこないわ、ミドルシュートは打たないわ、フリーキックは枠に飛ばないわ…。


試合はキックオフから日本が押し込みますが、決定的チャンスは中々作れませんでした。特に前半はコーナーキックも策を弄してショートコーナーなどを使っていましたが、相手との体格差を考えると単純に放り込んで巻選手と田中闘選手の高さを生かしてもいいのではないかと思いました。さすがに後半はショートコーナーを少なくして単純に放り込んでいましたが、その方が惜しいチャンスを作れていたように思います。


また、前半は加地選手の右サイドに攻撃が偏り、駒野選手の左サイドは有効に使えているとは言いがたい状況でしたが、ハーフタイムで駒野選手アウトで羽生選手を中盤にいれ、三都主選手を左サイドの位置に置いていました。守備が心配な三都主選手ですが、さすがにイエメン相手だと高い位置をキープできるので、後半は左サイドからの攻撃も活性化しましたね。これは想像ですが監督が三都主選手に「サイドに張って、中に絞るな」とでも指示をしているかのような、左からのワイドな攻撃でした。


そして極めつけは後半の田中闘選手のポジショニング。「トゥーリオ上がりっぱなし」と思いながら見ていました。セットプレーで上がるのはもとより、流れの中でそのまま上がっていって、ペナルティエリア付近でポストプレーをしている時には笑いました。それがまたちゃんと決まるし。日本の2点目になった佐藤寿選手の得点も田中闘選手のヘッドからだったし、最後はセットプレーも蹴っていましたね。前の代表監督が「中沢もFWだ」というようなことを言っていましたが、このチームでは田中闘選手も選手交代枠を使わないで投入できるFWの切り札になるのでしょうか。


試合全体を通しては「アジア相手に得点を決めきれない日本」の典型的な試合でしたが、それでも巻と田中闘選手の2トップの下を小さなFWが走り回るのは、力ずくかこぼれ球かは分かりませんが、得点の可能性は上がりそうです。ドイツで戦った日本代表のFWも良い選手でしたが、またそれらの選手とは違った「体ごとでも押し込んでやる」という気迫を感じる今のFW達ですね。


出場枠の大きさを考えれば日本が予選落ちをするのが難しいほどのアジアカップ予選ですが、それでもサッカーの試合である以上力関係ははっきりしていても簡単に勝てるわけではない。スタジアムの外は涼しい風が吹き抜けていましたが、スタジアムの中は蒸し暑く過ごし難い、今日の試合も相手が攻めてくれば攻めやすいが、相手が出てこないと攻めにくい。難しくスッキリしない試合ではありました。
今日の試合の最大の収穫は、坪井選手が90分間足を攣らずにプレーできたことでしょうか。