東京ヴェルディ - 柏

国立競技場に行ってきました。
開始１０分間はどうなることかと思いましたよ。ほとんどヴェルディのゴール前でのプレーが続き、ヴェルディボールになっても大きく蹴り出すのがやっと。前線へのロングパスなのか苦し紛れに蹴り出しているのか分からないような１０分間でした。

しかしそんな苦しい展開の中で、前線へのロングパスがピタリと平本選手に通り、ＧＫとの１対１を冷静に蹴りこみ、押されっぱなしだったヴェルディが先制するのだから分かりませんね。これでさらに攻める気に火がついた柏が前に出てくるところを左サイドに流れた快足シウバ選手からのマイナスのクロスを金澤選手が”ナイスミドルシュート”と思ったのですが、平本選手がコースを変えたようで平本選手の得点に。前半の１５分で２点先制なんて、ヴェルディはどうしちゃったんでしょう。

愛媛、湘南と連敗し、前節は草津と引分けているヴェルディでしたが、試合開始前のメンバー紹介では、ラモス監督を紹介するコールに柏のみならずヴェルディサイドからもブーイングが出ていたような気がしました。ここで現在Ｊ２の首位をいく柏に粉砕されるようだと、今年の昇格とかではなく、今年のチームが崩壊してしまうのではないかというぐらい心配していた今日の試合でしたが、前半で２−０とリードするとは予想もしませんでした。
試合前の応援でも、ヴェルディホームとはいえ柏のサポも多く、また柏の応援がユーモラスで少し気持ちが引き込まれかけて「いかんいかん、昨年の日立台の悔しさを忘れるな」と自分に言い聞かせたほどでした。それでも、発車のアナウンスとか笑ったけど。

後半に入ってもヴェルディのカウンター攻撃が面白いようにきまり、柏の攻撃から切り替わったボールを、ゼ・ルイス選手が長い距離を独走して柏陣内までボールを運び、右サイドから右足で綺麗なカーブ回転をかけたボールをゴール前へ送り込む。このボールが走りこんだシウバ選手にピタリと合って３点目。
柏に１点は返されたものの、さらにまたカウンター攻撃で右サイドバックの藤田選手が自陣ゴール前から柏陣内に駆け上がったところに綺麗なパスが通り、ゴールライン際まで抉ってマイナスのグラウンダーのクロスをゴール前へ、これをマルクス選手が落ち着いて決めて勝負を決める４点目をもぎ取りました。藤田選手も海本選手の出場停止で巡ってきたチャンスですから、気合が入った良いプレーの連続でしたね。

３−０のリードから柏に１点を返された直後は守備陣が少しオタオタする時間もありましたが、何とかそこを乗り切ったことはとにかく良かった。その時間帯に柏に惜しいシュートがあって、あれが入っていて３−２にでもなってしまったら、今のナイーブなヴェルディの選手たちでは試合がどう転がるか予想もつかないところでしたが、後半１６分過ぎの柏の得点からの１５分間を無失点で耐えたことがマルクス選手のとどめの４点目につながりました。

終わってみればここ最近で記憶にないほどの快勝の試合でしたが、結局は柏の攻撃の圧力が高かった時間帯を何とか凌いだことが勝利につながったように思います。９０分間で１点は取られたものの、試合開始直後と失点の直後を耐え切ったこと、これが今までのヴェルディにはなかったように思います。ただ、リードした試合終盤にきる交代カードが攻撃的な選手ばかりだったのですが、１点差の試合だったら耐えられなかったかもしれないと感じました。
また、やはり柏が順位的にもヴェルディより優位に立っていて、自分から攻撃に出てきたからこそヴェルディのカウンターがはまったと言うことも大きいのでしょう。引いて守る相手を崩すのは時間がかかりますし、そうしているうちに相手にカウンターを決められて、失点。それを取り返そうと前がかりになったところをさらにカウンター攻撃をくらって失点を重ねるのがヴェルディの悪循環でしたが、今日はその展開がまったく逆になりました。

とにかく勝って良かった。