監督の意図を読む

オシム監督になって、監督の会見において記者の方々は質問の選択が非常に難しくなって大変なのでしょうね。今まで通りの曖昧な質問にもなっていない質問だと答えてくれないし、時には聞き返されてしまう。記者の皆さんも今まで通りに監督に広い意味での質問をぶつけて感想を聞くことは諦めて、ピンポイントの質問で”答えを引き出す”ことをしなければならないのでしょうね。
でもオシム監督なら、核心に触れすぎるとそれがそれで答えをはぐらかしそうなので、記者の方々は難しい立場ですね。


さて、そんな難しい立場に立たされているものの一つがスポーツ新聞だと思いますが、久しぶりにまともに感じる記事だったのでリンクを貼っちゃいます。
「走るトップ下」3人でサウジ崩す スポニチ

試合直前まで先発を明かさない日本代表のイビチャ・オシム監督(65)だが、今回招集したメンバー24人の顔ぶれを分析することで、アウエー2連戦の戦略と展望が見えてくる。

試合前にスタメンを明かす監督が、プロ監督としては異常なんですって(笑)。でも、招集選手の分析はおもしろい。

日本を出発した31日、オシム監督はメンバー選考の理由を「代表は、やりたいことに従って選手を呼ぶもので、次の試合に備えて選んだ」と語った。今回、招集した24人のうち20人は8月16日のイエメン戦からのメンバー。初選出の4人が中東遠征を考慮した選手と考えられる。

そのうち、西川は連戦中に故障が出た場合に備えた第3GK。伊野波は負傷の佐藤勇人の代わりにボランチができ、さらにDF、両サイドもこなす守備のスペシャリスト。この2人はバックアップの意味合いが強い。一方で、残る2人の二川と梅崎はトップ下の選手。このポジションに監督の戦略が隠されている。

少し論理的です。

オシム監督は今回、トップ下に羽生、山瀬、小林、二川、梅崎の技術がある5人を選んだ。だが、小林は動き回るタイプではなく、山瀬はトリニダード・トバゴ戦でガス欠になった。それに対して新しく選ばれた二川、梅崎は豊富な運動量が持ち味。サウジDF陣は背が高く、イエメン以上に堅い守りを誇る。単純にボールを放り込むのでは得点は難しく、オシム監督はイエメン戦の羽生のような動きを二川、梅崎に求めると思われる。

この上の記事のような、記者の考えも含んだ質問を会見でオシム監督にぶつけたら、きちんとした答えが返ってくるような気がします。


『新しく招集した選手に求めることは?』


という、曖昧で広い意味の質問ではなく、


『新しく招集した4選手のうち、西川、伊野波選手はバックアップ的な意味合いが強いと思いますが、二川、梅崎選手は羽生選手の投入のように中盤で運動量を増やすための招集ですか? また、サウジ戦とイエメン戦の間隔が短いことで、中盤のターンオーバーなども考えていますか?』


という、ピンポイントの質問をぶつけて見て欲しいですね。でも、やっぱりはぐらかされるかな。




時には、こんな笑っちゃう写真も楽しいですけどね。