フランス - イタリア ユーロ予選

録画しておいた、お互いに負けたくないユーロ予選の試合であり、ワールドカップ決勝の再戦となる試合を見ています。


日本代表だけを追いかけていると、4年間の集大成が残念な結果で終わったことで「日本代表再生」的に「まだ3試合目だから…、まだ4試合目だから…」というエクスキューズを考え不甲斐ない戦いでも許してしまいますが、ヨーロッパでは”新チームだ”とかどうだこうだに関係なく、ワールドカップと同じくらい負けられないユーロ予選が始まっているのですよね。”新監督だから…”とか、”選手が入れ替わったから…”という言い訳は一切なし。代表ユニを着て、試合が始まったら言い訳はきかない。負けがこめばユーロという大事な大会に出られなくなってしまう大切な予選ですから、「チームを再構築している最中」などという言い訳は通用しません。オシム監督が言うように、日本はまだまだメディアもサポも甘いということが、遠く離れた欧州を見ると良く分かりますね。


それにしてもまだ各国のシーズンが始まったばかりとか、セリエAなどは始まってもいないのに選手の体のキレが良いこと。イタリアはその分少し厳しい感じもしますが、”代表の誇り”と”公式戦の重み”がアジアや日本に比べて相当重いんだろうな、と感じてしまいます。
またそのような体のコンディションの問題とは別に、判断や思い切りの良さは見ていて惚れ惚れします。先制点になったゴブーのダイレクトボレーシュートなど、見ていて「そのタイミングだよね」と納得してしまうのです。逆サイドからフワッと上がったクロスボールを後方から大外に走りこんできた選手が、見切れた画面の端から走りこんできたスピードを落とさずにダイレクトでシュートをする。ここのところたくさん見た日本代表の試合だったら、トラップしてタイミングを逸し、後ろに返すか相手に取られるかというような場面を想像してしまいます。「コースがあるならまずシュート」という意志のあるプレーが見ていてとても心地よいのです。例えそのシュートが外れたとしても、見ている側の予想を裏切らないタイミングで放たれたシュートは妙に納得させる力を感じてしまいます。しかし、打てるタイミングで打たないと、見ている側にも体の中に不純なイライラが溜まるのですよね。


また日本代表の試合を見ていると、”ボールの周囲だけで試合が行われている”ように感じることが多いのですが、このレベルの試合を見ていると”ボールの近くでも試合が動いてる”し、”逆サイドでも試合が動いてる”し、”DFにボールがあっても前線でも試合が動いてる”ように感じます。もちろんそうではない落ち着いた時間帯もあるのですが、”ここぞ”というスイッチが入った瞬間にピッチのあちこちで選手が動き出して試合が動き出す。オシム監督の頭の中にこのレベルの選手の動きが完成形としてあるとしたら、日本代表の試合をベンチで見ているのは相当なストレスが溜まるのでしょうね。