ナビスコSF 千葉 - 川崎

helguera2006-09-20

フクダ電子アリーナに行ってきました。
昨年の千葉のナビスコ杯での躍進が非常に印象的だったので、今年もナビスコの準決勝を見に行ってしまいました。H&Aの2試合の戦いの中で今年から採用されたアウェイゴールルールでしたが、等々力で行われた第一戦が2−2で、どちらに有利とも言い切れないスコアの試合でしたから今日の試合も絶対面白くなると思ったのです。しかし、スタジアムに着いてみるとこんな好カードにも関わらず観衆は1万人を越えませんでした。カップ戦のセミファイナルなんて、試合としては一番盛り上がって面白いはずなのにもったいないです。平日の夜の開催と言うことで条件的には難しいと思いますが、満員の観衆の中でやらせてあげたいような好ゲームでした。


今日はバックスタンド2階ホーム千葉側で見ていたのですが、90分間のゲームの中で入った4点は、なぜかすべて逆側のゴールに吸い込まれました。ふぅ。


まず試合開始から千葉のフィジカルコンディションがキレキレに見えました。川崎がボールをつないで千葉側に攻めてきますが、それに対する千葉のチェックが早いこと。中盤で少しもたつくとあっという間に千葉の選手が3人ぐらい襲い掛かるような感じでした。そんな開始3分、川崎の攻めを受け止めた千葉が素早いカウンター攻撃を仕掛けました。自陣右サイドから始まった攻撃は大きく斜めにサイドチャンジのパスが飛び川崎陣内左サイドへ。それを中央に走りこんできた選手が反応し見事なゴールを決めました。最後のパスのタイミングが「微妙にオフサイドかな?」と思うようなタイミングでしたが、副審の旗は上がらず見事な攻撃を完結させました。とにかく、千葉の選手が攻め上がってくるのが早かった。川崎の守備の選手に対して、千葉の攻撃の選手の方が多く湧き上がってくるような感じでした。


そして先制点の興奮も醒めないうちの前半11分、また千葉自陣近くからの攻撃で川崎ゴール前に早いタイミングで斜めにクロスが飛びます。ゴール前中央の選手を飛び越したので「長い…」と思ったのも束の間、左サイド大外から山岸選手が飛び込んできてダイレクトで合わせ、あっという間に追加点を奪ってしまいます。バックスタンド2階という角度がある上から見ていたのですが、それでも千葉の攻撃の大きな展開に目がついていくのは大変です。上から見てもそうなのだから、水平位置で見る川崎の守備陣は千葉の早く大きなパスと選手の動きを見切るのは大変だろうな、などと考えてしまいました。
前半11分で千葉の2点リード、もう少し千葉にとって楽な後半になるかと思ったのですが、世の中はそんなに甘くなかった。


後半は攻めるしかなくなった川崎が攻勢に出るだろうとは思いましたが、予想以上に千葉には苦し後半になってしまいました。後半10分に川崎のマギヌン選手のゴールが決りましたが、前半からタイトなマンマークで川崎の攻撃を自由にさせなかった千葉の守備でしたが、この失点の場面では川崎の攻撃の圧力にDFが押し下げられペナルティエリアまで押し込まれてしまい、プレッシャーが薄くなったエリア手前でボールを受けたマギヌン選手のまわりがエアポケットのようにノープレッシャーになってしまいました。それまでは川崎の選手をあんなにフリーにはしなかったのですけどね。それでも、あのシュートは凄かったけど。
これで川崎の攻撃にさらに勢いが出て、千葉選手の足はさらに重くなり、あっという間に川崎が同点に追いつきます。2人で攻撃を完成させてしまうのだから、川崎の攻撃のスピードも凄い。


ここからは川崎の猛攻をひたすら千葉が耐える形の試合になってしまいました。千葉の選手の足が止まって攻撃のフォローに行けないこともありましたが、それ以上に千葉の巻選手の競り合いがことごとくファールに取られているのが千葉にとっては辛かったと思います。川崎の選手を倒したら巻選手のファール、巻選手が倒れても巻選手のファール。今日の主審と巻選手の相性は最悪のようでした。千葉サポに囲まれて見ていましたが、それに関係なく「今日の主審は川崎寄り?」と思ってしまうような不可解な主審の笛でした。でも、試合終了後に不可解な気分になったのは川崎の選手たちだったのでしょうけど。


延長になった時点では千葉の選手たちの足はほとんど止まっていて、後半から延長にかけて千葉が放ったシュートが思い浮かばないくらいでしたが、それでも千葉サポの大きな歌声が選手を後押ししているのが印象的でした。公平なように見えるH&A形式の試合ですが、2試合目をホームで行えるというのは目に見えないメリットがありますね。もちろん、サポーターの大声援があるという条件付ですけど。
延長も30分の試合時間を終了しロスタイムの1分に入り、「PKはどちらのゴールでやるのだろう…」などと考え始めた頃、たぶん最後の攻撃になるはずだった千葉の攻めで川崎の選手がエリア内のハンドを取られ千葉にPKが与えられました。確かに手には当たってましたから、主審のPKの判定は間違ってはいないと思いますが、それでも最後の最後でホームアドバンテージが出たような気もします。


喜んでいるホームの千葉サポを見ていると、やはり自分が心の底から応援するクラブの痺れるような試合を見たくなります。ヴェルディ天皇杯で優勝したのはそんなに遠い昔でもないのですけどね。