不思議な処分

9月30日に国立競技場で行われたヴェルディの神戸戦において、ヴェルディを誹謗中傷する横断幕を掲げて試合開始時間を遅らせた人物に対し、神戸というクラブから不思議な処分が発表されました。
2006/10/12 第43節東京ヴェルディ1969戦に関する処分について 神戸公式
なぜかPDFという簡単に見難い発表になっているので、全文引用します。

ファン・サポーターの皆様へのご報告
2006年10月12日
先日来皆様にご報告してきた通り、9月30日のJ2リーグ第43節・東京ヴェルディ1969戦において、ヴィッセル神戸の一部サポーターの掲出したバナーが相手を揶揄・中傷する内容であったため、試合開始時間が4分間遅れるという結果を招いてしまいました。
この件についての当該サポーターへの処分が、昨日(10月11日)決定いたしましたので、その経緯と併せて以下にご報告いたします。


まず、今回の件は幸いにもJリーグ実行委員会での公式な議題となることを回避できました。
クラブとサポーターが相互理解を目指し、迅速に事実確認、話し合いというプロセスを辿り、当該サポーター自身がその話し合いの中で自発的に反省の意を表明し、それを署名捺印の文章としてクラブに提出していること、そしてクラブがそこに至る経緯を公式ウェブサイト上で都度公表し、全てのファン・サポーターに問題提起してきた姿勢は評価できると認めて頂いた結果です。
これを受けて、Jリーグと個別の話し合いを行いました。 Jリーグとしては、実行委員会と同様の理由で「クラブに処分は委ねます」と仰ってくれました。 本来の罰則規定に照覧すれば、今回の当該サポーターの行為は5試合の入場禁止(ホーム試合数に準ずる)にあたります。 ですので、当然処分しないというわけにはいきませんが、規定通り5試合の入場禁止を実施すると今年のリーグ戦が全て観戦できないことになります。
(*下図Jリーグにおける入場禁止の考え方を参照)
そこで今回は当該サポーター(4名)を「1試合入場禁止、4試合を執行猶予(来年度のホーム開幕戦まで)」といたします。 具体的には、14日のアウェーの水戸戦と18日のホームの山形戦は入場できないことになります。 万が一、以降の試合で今回同様のことが起こった場合はすぐに入場禁止の措置をとります。
皆さんご承知のように、今クラブは最も大事な時期です。
今年の目標である「J1復帰」を成し遂げるために、負けられない試合が続きます。 しかし、ここまで来られたのは、J2に降格しても変わることなく昨年以上に熱い声援を送り続けてくれたファン・サポーターの皆さんのお陰です。

あの声援に選手・スタッフがどれだけ勇気付けられてきたことでしょう。 J1復帰はクラブ、選手、ファン・サポーターの三者が一体とならなければ為し得ません。 最後残り9試合、もう一度結束し、ヴィッセルに関わる全ての人の力でJ1復帰を勝ち取りましょう。 これまで同様、いやそれ以上の熱いご声援を、何卒よろしくお願いいたします。


株式会社クリムゾンフットボールクラブ
代表取締役社長兼ゼネラルマネージャー
安達貞至
(太字強調は引用者)

なぜ、規定通り今年全ての試合を観戦禁止にしないのか、理解できません。結局、神戸にとっては、処分なんてどうでもいいのでしょうね。『幸いにもJリーグ実行委員会での公式な議題となることを回避できました』というくだりでも明らかなように、起きたことの重大さはどうでもいいのでしょう。
素晴らしいクラブです。


以下は、この事件に対する神戸の発表ですが、PDFの議事録を読むと呆れて悲しくなります。
2006/10/03 ファン・サポーターの皆さんへ安達社長から重要なお知らせ 神戸公式
2006/10/07 第43節東京ヴェルディ1969戦に関するミーティングについて 同上 (議事録は凄すぎて引用できません。)