U21 日本 - 中国

helguera2006-10-25

ギリギリまで行くかどうか迷ったのですが、国立競技場に行ってきました。
テレビやメディア的には「オシム注目」というキャッチフレーズの試合かもしれませんが、現地のスタンドで見た感想としては「反町硬直」という印象が強かった試合でした。


19時キックオフの試合だったのですが、国立競技場の最寄り駅である千駄ヶ谷駅に着いたのが18時40分頃。早足で国立競技場に向かい、長蛇の列が出来ている当日券売り場でチケットを買い、入場して席に着いたのがキックオフ5分前でした。当日券売り場も列が長かったのですが、千駄ヶ谷門でそれ以上に混雑していたのは招待券の引き換え場所でした。ざっと見ても数百人が並んでいたと思います。前売りが売れないという事前情報がありましたから日本サッカー協会や東京都サッカー協会が面子にかけて空席を埋めるために相当数のタダ券を配ったのでしょうね。そんな試合に正直に定価を出して有料で見ている人の気持ちなど、考えもしないのでしょう。


スタメンもちゃんとは把握できないまま試合が始まったのですが、日本は3−5−2っぽいのですが守備時はマンマークでやっているようで、あまりフォーメーションとか関係ないのはフル代表の影響でしょうか。ただ、守備時のマンマークは良いとしても、マイボールになった時の日本選手の動き出しが少なく、ボールを持った選手がボールの出しどころに困っている姿を良く見たような気がします。中国側の寄せが早いこともあるかもしれませんが、日本のボールホルダーがタッチライン際に追い込まれて、2〜3人の中国選手に囲まれて苦し紛れに蹴りだす場面が多かったように感じます。ボールを持っている選手の球離れが遅いと言うよりも、受け手の動き出しが少なく感じました。
例えばゾーンディフェンスを使って守るのであれば、守備時はコンパクトに集まり、攻撃時は素早く散らばってパスコースを多く広くするのが常道かと思いますが、マンマークで守備をしているなら、攻撃時はマークを捨てて攻め上がらないと、守備で相手をマークしているその流れのままでは日本選手の近くには中国選手が必ずいることになってしまいます。そのあたりの守から攻の切り替えが遅いように思います。


ボールに対する寄せの早さなどで、中盤の攻防は中国に軍配が上がっているように感じましたが、結果としては日本の2得点で無失点と言う、パーフェクトな結果。でも、内容については、随分物足りなさも感じました。特に攻撃にスピードが感じられない。ボールをひとつ余計に持ちすぎたり、あと一歩のボールコントロールに失敗して中国選手に囲まれてしまったり。DFラインからの長いボールや、ピッチを斜めにクロスして飛ぶ大きなサイドチェンジの攻撃は非常に効果的だったと思いますが、DFラインからグラウンダーの楔のパスがFWに収まって、そこから中盤に落として攻撃を展開する場面がもっと見たかった。ただ、それでも2点取ってしまったのですけどね。右サイドの中村選手が絡んだ攻撃が日本の唯一のストロングポイントに感じました。


中国についてはボールに対する素早い寄せとか球際の執念については「おぉっ!」と思わせる部分もありましたが、全体的に見ればライバルなどとは思いたくもない低俗なラフプレーの多さに幻滅しました。中国がオリンピックを控えて本気でサッカーを強化したいのなら、フィジカルの強さを生かしつつもう少しクリーンにプレーすることに価値観を切り替えないと、日本のライバルとは考えたくもない。同時に入場する黄色いフェアプレーフラッグが泣いていると思います。フィジカルの強さを生かすことと、ラフプレーでアフタータックルをぶちかますことはイコールではないということを、早く誰かが教えないといけないのではないかと思います。まあ、予選で当るわけでもないので、余計なお世話なのですけれどね。


それ以上にがっかりだったのは反町監督の選手交代の遅さでした。この試合が公式戦で結果に拘らなければいけない試合ならロスタイムの選手交代も納得できますが、スタメンの選手に与えたチャンスの量と、途中交代の選手に与えるチャンスの量とに違いがありすぎました。スタメンをいじる必要がないほど絶好調で素晴らしいバランスで戦っていたのならともかく、今日の試合ぐらいうまくいっていないならばもう少し別の選手に時間を与えてもいいのではないかと思いました。交代が遅かった理由は、個々の選手に成長を促したかったからか、チームの成熟を望んだのか。きっと試合後の記者会見でどこかの記者が質問をして理由を解明してくれることでしょう。じゃないと非常に割り切れない感じが残りそうです。
あともう一つがっかりだったのは、主審や副審のレベルの低さ。韓国サッカーも大変ですね。


まあこのように不満も書きましたが、それでも対中国との2試合を2試合とも結果は完勝ということで、結果だけを見れば文句のつけようがない結果です。新しいチームの立ち上げ時期にしては最高の結果でしょう。この試合での未消化感は、11月の対韓国の2試合ですっきりさせてくれることでしょう。今日見ることができなかった選手も見せてね、反町監督