U19 日本 - イラン

BS朝日で見ました。
結果としては1−2で”完ぺき”に負けたわけですが、内容はもっと押されていたように感じました。すでに2勝し勝ち点6を挙げている日本に対し、負けたら終わりで引分けや勝利しても北朝鮮の結果や得失点差に次への進出を左右されるイラン、試合開始からその両者の立ち位置の違いは明確でした。


開始直後こそ日本もチャンスを作りましたが、先の2戦ほど幸運もなく、時間の経過とともにイランが押し込んできます。特に日本ボールに対するイラン選手の寄せの早さと激しさはすさまじく、『主審が早く最初のカードを出さないとイランの激しいプレーは泊まらないな…』と思いながら見ていました。押し込まれている中でも日本が一瞬の隙を突いて先制しましたが、試合としては前半からイランの試合でしたね。
さすがにイランの選手たちは北朝鮮タジキスタンの選手にくらべて技術的にも高くアイデアも豊富でした。トリッキーなボールコントロールなどは日本の選手の方が巧いと思いましたが、浮いたボールの処理などはイラン選手の方が巧かった。日本のゴール前で相手選手をフリーにしても、北朝鮮タジキスタンの選手はそのチャンスを活かせませんでしたが、さすがにイランの選手たちは際どいシュートを放ってきます。実況アナウンサーは「日本の無失点が続いています…」と要ってましたが、『日本の失点も時間の問題だろう』と思わせるイランの攻めでした。


そして残念というか、うーんと唸ってしまったのが前半終了間際に日本の選手がイラン陣内のコーナー付近でボールキープをしていたこと。確かに前半終了時点では日本が1−0でリードしていたけれど、90分の終了間際ならともかく前半終了間際からボールキープなどという消極的な姿勢は見ていて悲しかった。前半終了間際の使命は、「1−0のまま逃げ切ること」ではなく、「隙あらば2−0にすること」だと思うのですけれどね。「不用意なカウンターを喰らわないこと」は大切だと思いますが、前半終了間際で自分たちの攻撃機会を放棄する必要はないのではないでしょうか。
フリーキックがバーに弾かれる惜しいチャンスもありましたが、判定があるならイラン優勢と思える前半でした。


後半はもうさらにイランの攻勢が強くなり、『ますます失点は時間の問題だな…』と思わせる試合の入り方でした。そして最初の失点は球際の執念でイランが日本を上回り、完ぺきに日本のDFを崩しました。あの失点は不運とか言うものではなく、完敗とでも言うべき失点でした。サイドからペナルティエリア内に侵入された時点で崩され、GKがフェイントに引っかかった時点で崩され、ファーポスト側もドフリーでした。
そしてさらに失点を重ねます。初戦や2戦目でもペナルティエリア周辺で相手にヘディングを自由にさせていましたが、2失点目の場面でも後ろにはついていたものの相手の動きを制限するまでには至りませんでした。これも完ぺきな失点。


さすがにイランにリードを許してからは日本も反撃に転じましたが、一度緩んだ何かは最後まで戻らず、『日本が同点に追いつく可能性よりも、イランが追加点を奪う可能性の方が高いだろうな。でも、4点差はつかないだろう…』と思いながら見ていました。予想通り1点差負け状態のまま試合は終了しましたが、何とも言えない素直にスッキリ喜べない形の決勝トーナメント進出となりました。
日本を完全にねじ伏せた形のイランでしたが、北朝鮮タジキスタンに勝ったことで試合の勝利の喜びも束の間の喜びとなってしまいました。しかし、どうしてこれだけ力のあるサッカーをするイランチームが北朝鮮に0−5で負けるかな。


さて、グループリーグ3試合ともBS朝日の中継で見たのですが、実況のアナウンサーの下手さ加減には救いようがありませんね。テレ朝の誰かと同じように、目の前の出来事を正確に伝えることより調子の良い言葉を並べることに意識を集中しているようで、ピッチ上の出来事はあまり目に入っていないような実況でした。余計なことを言わなくていいから、もう少しちゃんとプレーを追うことと、サッカーを勉強して欲しい。スカパーのサッカー中継でも見て勉強して欲しいものです。


とにもかくにも日本は1位でグループリーグを通過しました。2連勝と幸先の良いスタートをきった貯金が効きましたが、この負け試合をちょうど良い反省材料として、もう一度気を引き締めて次の試合で世界大会への切符を掴み取って欲しい。余裕をもって試合に入るのも良いのですが、それよりはチャレンジャーとしてのひたむきさを忘れないようなプレーをもう一度見せて欲しい。
頑張れ、ニッポン!!!!