天皇杯 千葉 - 札幌

あちゃー、やっちまいましたね、千葉…。
前半は眠い試合でした。相手に喰いつくような勢いで試合に入った札幌に対し、どうも受けて立ってしまっている千葉。試合としては互角に推移した前半かもしれませんが、やはり千葉のイレブンにはどこかJ2である対戦相手を舐めた気持ちがあったのでしょうか、千葉の攻撃に斬りかかるような鋭さはありませんでした。


そしてまたJ2を舐めていたのはNHKの実況アナウンサー。札幌の選手が千葉のゴール前でボールをつなぐと、「札幌の選手がボールを落ち着いてつないでいます」などというとぼけた実況をしていました。日本のトップリーグではないにしろ、J2という年間40試合を越えるリーグ戦を戦っている選手たちが、いくら対戦相手がJ1のチームだとしても舞い上がってボールをつなげなくなるはずがない。NHKは中継をJ1しかしないからアナウンサーは知らないかもしれませんが、J2のチームを舐めるのもいい加減にしろ、NHK! (アマチュアのクラブに負けた緑色のJ2チームがあるのは秘密です。)


さすがにハーフタイムにアマル・オシム監督にこってり絞られたのか、後半の千葉は立ち上がりから前線で札幌のボールをチェイスし、ようやく試合らしくなってきました。ただ、千葉が前の方から活発に守備を仕掛けることで、札幌が上手くボールを奪い返したときには千葉の守備陣が薄く、格好のカウンター攻撃のチャンスになります。ここにきてようやく両者とも「肉を切らせて骨を絶つ」ような、痺れる勝負になってきました。カップ戦はこうでなくっちゃね。
千葉が本気になったことや、また途中交代の楽山選手がキレキレだったことなど、ようやく千葉の攻撃もエンジンがかかってきましたが、いかんせんシュートの精度が……。NHKの実況アナウンサーもゴール前の札幌の選手の落ち着きに驚くのではなくて、J1とかJ2という色眼鏡で見ないで素直に赤ユニ対黄色ユニで見ていたならば、どちらの選手にゴール前の落ち着きがあるかちゃんと見えただろうにね。


試合は左サイドからのクロスをピンポイントで合わせた札幌が先制します。まだたっぷり時間があったのですが、『ここまでの試合の流れを考えるといくら時間があっても千葉は追いつかないのではないか』と思いながら見ていました。案の定総攻撃をかける千葉に対し、カウンターのチャンスがどんどん増える札幌。攻撃の意識は千葉の方が高かったのだとは思いますが、決定的チャンスの数は札幌の方が多く感じました。そして試合の結果も内容通りの妥当な結果に落ち着きました。
それにしても千葉のサポはたった数日間の間に天国と地獄の両方を味わった気分なのでしょうね。それでも、何年か前は降格ギリギリなんて年もあったのだから、緑色のサポから見たらとっても羨ましいですけどね。