中田英寿引退特別番組 遥か旅の途中

テレビ朝日で放送されていたこの番組の後半だけを見ました。
中田英寿引退特別番組 遥か旅の途中 テレビ朝日

(自らのHPで)「プロサッカーという旅から卒業し“新たな自分”探しの旅に出たい」と、引退理由について語った。

私はサッカー選手としての中田英寿選手は大好きでしたが、引退した後の中田選手がどのような行動をとろうと自由だと思うので、特に何ら批判する気はまったくない人間です。ですから、この番組のサッカー日本代表についての部分はともかくとして、それ以外の彼が言うところの”旅”についても、自らのお金でどこにどれだけの期間でも気が済むまで旅をすればいいと思っています。
でも、彼が世界やアジアの助けが必要ではないかと思われるような地域に行く時に、テレビカメラがついていることには違和感を覚えてしまいます。


中田さんがサッカー選手としてごく普通の人よりお金も人脈もあって、助けが必要な人の力になりたいし、困っている人がいれば何とかしてあげたいと思う心は素晴らしいと思います。そしてその実現のために、テレビの力を利用することでより多くのことが実現しえると思うのなら、テレビクルーが常に寄り添って一部始終を撮影して、それを放送しさらに大きな力にするのも良いでしょう。
でも、そのような形でテレビの力を有効活用しようとしているだけなら、テレビ朝日だけの独占でなくても良いはず。というか、むしろ様々な局の様々な番組に出演して、より多くの人に”誰かの助けになる必要性”を訴えた方が効果的です。でも、それはしないで、引退直後から重点的にテレビ朝日だけと付き合っている。その部分に非常に違和感があります。


ビジネスとしてテレビ局とやりとりをするのなら、1局独占にしようがそれは好きにすればいい。でも、放送の内容があのような子供たちを助けたいならば、独占にする必要はない。ここまでは考えすぎかもしれませんが、視聴者が見たいだろうはずの”人間としての中田英寿の近況”を放送したいのか、それとも”商品としての中田英寿ブランド”のイメージアップをしたい人たちが存在するのか。
昔のキレキレだったころの中田選手のプレー映像が見られたことは素直に嬉しかったのです。でも、見ていて何か違和感を感じる番組でした。