ゼロックスS杯 浦和 - G大阪

ひょんなことからBSの再放送で録画中継を見ました。
見たのは前半の20分過ぎから終了までだったのですが、スタジアムに詰め掛けた多くの浦和サポの声援がだんだんと少なくなっていくのが印象的でした。当然結果を知っていて見たことになるのですが、時間の経過と共に浦和とG大阪のフィジカルコンディションの差とモチベーションの差が明らかになっていく、そんな試合でした。


とにかくG大阪は走る、走る。誰かが良い形で前向きでボールを奪った瞬間、前線の選手であるマグノアウベス選手や播戸選手はスペースを求めて走り出すし、中盤の選手である明神、橋本、遠藤、二川選手辺りはボールを追い越して前に走る。サイドの加地選手や安田選手、特にこの試合では左サイドの安田選手が目立っていましたが、サイドの選手はタッチライン沿いの裏を狙って走る。時にはシジクレイ選手までが攻撃参加をする。そのうちGKまでが攻撃参加をするのではないかと思うほど、”超攻撃”的なG大阪でした。
でも、だからといって守備をおろそかにしているわけではなく、浦和ボールになった瞬間から前線でのチェックが始まって中盤ぐらいで浦和からボールをからめとってしまう。守りの作戦としてワシントン選手にボールを渡さないためのパスの出所を抑える意味もあったのでしょうが、この守り方がシーズンを通してできたら、ぶっちぎりの成績で優勝してしまうのではないか、そんなことを感じさせました。ただ、あれほどの出足で守備をするには、高いフィジカルコンディションと選手のモチベーションが相当必要になるのだと思いますけれど。


一方の浦和は……、心配ですね。オフの補強の中心が若手をレンタルなどで修行に出して、入ってきたのが阿部選手1人と聞いたときから多少の不安は感じたのですが、DFが1人2人怪我をしたらどう対応するのだろうという不安が拭えませんでした。特にDFでもあり攻撃の裏の中心でもある田中闘選手が欠けたこの試合では不安点が全て出てしまった印象ですね。攻撃時の前への勢いが生れない、前に長い距離を走る選手がいないから、攻撃の変化がつけられない。守備時にはスペースは埋めるけれど積極的に奪いに行かないのでスピードに乗ったG大阪の攻撃を止められない。浦和の3バックの裏を取られて崩される場面が続出しましたが、3バックの問題というよりそこに精度の高いパスを出させてしまうほど自由な時間と場所を与えている浦和の中盤の問題に思えました。
もちろんこの試合に出場できなかった田中闘、相馬、長谷部、田中達選手などが戻ってくれば変わるところが大きいのだと思いますけれどね。


それにしても、ゴール前でのマグノアウベス選手の落ち着きは何なのでしょう。簡単に決めているシュートでもスローで見ると結構角度がないところからだったり、相手選手の足が伸びていたりと、そんなに簡単なゴールでもないのですよね。あの落ち着きが日本人選手にもあったら…などと考えてしまいました。
シーズンの開幕を告げるゼロックススーパーカップですが、あと1週間で開幕ですね。2年前にはヴェルディゼロックススーパーカップに出場していたのですが……。どんなシーズンになろうとも、それでも開幕は待ち遠しい。