G大阪 - 大宮

今日は時間の関係でこの試合しか見ることができなかったのですが、唯一のテレビ観戦試合が渋い試合になってしまいました。大宮はまた今年も厳しいシーズンになりそうです。


先週のゼロックススーパーカップで良い試合をしたG大阪ですが、大宮の早い寄せに基づいたしつこい守備に苦しみました。大宮は1トップの新外国人エニウトン選手を除いた全員の守備をベースに、G大阪の動きを封じ込めにかかります。前半の25分前後まではうまくいっていましたが、30分過ぎには素早いパス交換を意識しはじめたG大阪の攻撃に大宮の守備が翻弄され始めます。何だかこの時間帯ですでに試合の焦点はG大阪が得点を獲って勝つのか、それとも大宮が守り切って0−0の引分けに持ち込むのか、試合のストーリーが見えてきてしまいました。それぐらいG大阪の攻撃は力強く、大宮の攻撃には意外性がない。とにかく、FWのエニウトン選手まで大宮の攻撃でボールが渡らないのだからゴールまでは遥かに届きません。


一方のG大阪の攻撃は、上手いの一言ですね。フィールドの中央で展開される遠藤、橋本、二川、マグノアウベス選手が絡んで行われるパス交換は見ていて惚れ惚れします。その間も播戸選手は虎視眈々と大宮DFラインの裏を狙っているし、左サイドの安田選手はサイドを抉る。右サイドの加地選手は攻撃参加は控えめでしたが、それでもバレー選手や家長選手はベンチに控えているのですから、恐ろしい攻撃陣です。守備は攻撃に比べるとちょっと迫力に欠けますが、それでも今日の大宮の攻撃に対しては余裕で守れそうでした。


大宮が守備に頑張って拮抗した前半でしたが、それでも大宮の守備に綻びの気配はありました。J2時代から大宮の守備を支えてきたトニーニョ選手が抜けた穴は大きそうです。新加入DFのレアンドロ選手ですが高さと瞬間的なスピードはありそうですが、イージーなパスをG大阪の選手に引っ掛けて渡してしまったのが1回、ハイボールの目測を誤ったのか油断したのか、自分の後ろに弾ませたボールをG大阪の選手に狙われたのが2回と、合計3回も大きなミスがありました。幸いにも失点にはつながりませんでしたが、守りが基本の大宮の戦い方にしては致命的なミスの連続でした。


また前後半を通じて大宮の攻撃には得点の気配が感じられず、唯一チャンスの形になりかけるのは左サイドで波戸、小林大、橋本選手がパス交換をして時間を稼ぎ、G大阪の選手が寄ってきたところで逆サイドに長いサイドチェンジのパスを通す。すると右サイドの藤本選手がドフリーになっている、そんな展開が何度か見られました。ただし、そこから藤本選手が切れ込んで自分でシュートを打てばフィニッシュまでいけるのですが、クロスを選択してもゴール前にはエニウトン選手しかいないのでG大阪の守備陣に余裕で跳ね返されてしまいます。どちらにしても、得点の気配は感じられませんでした。NHKの集計によれば後半の大宮のシュートは0本だったようで、最上で引分けしか考えられない展開でしたね。


そんな渋い試合でしたが、最後はあっけなく終わります。後半の40分過ぎ、超攻撃のG大阪が後半途中から投入した家長選手が時間稼ぎのようにボールをまわす大宮DF陣にプレッシャーをかけ片岡選手からボールを奪う。それを後ろに流したところに同時に投入されていたバレー選手が走りこんできてシュートを放つ。すねに当った様にも見えるシュートは美しいものではありませんでしたが、バレー選手の足元でワンバウンドしたボールはまるでループシュートのように大宮GK荒谷選手の頭上を越えて大宮ゴールに吸い込まれていきました。勝敗という結果としては妥当な結果だと思いますが、J2時代の大宮では力を発揮できなかったバレー選手が大宮を沈めたことになり、非常に縁を感じる結末ではありました。


地元のクラブということで他のクラブよりは見る機会の多い大宮ですが、繰り返しになりますがやはり今年も厳しいシーズンになりそうです。守備はもう少し選手を補強すれば形になりそうですが得点はどうやって取るのだろう。プレシーズンマッチでも得点を取るのに苦労しているようですが、セットプレーにも迫力を感じないというか、背の高いヘディングの強そうな選手が見当たらないので、FKを直接入れるぐらいしか得点のイメージが湧きません。どうするのだろう。