パリ〜ニース 第2ステージ

ボエックラーヴォクレール)が4人の逃げ集団に入っているだけで、今日のレースは満足です(笑)。


でも、でも、今日のゴール地点があと1km手前だったら…、ゴール前1kmが上り基調ではなく下り基調だったら…、ヴォクレールがステージ優勝できたのに。ステージレース2日目からテレビの前で『行け〜〜!!!』と絶叫するとは思いませんでした。4人の逃げに揺さぶりを掛けて3人に減らし、後ろの集団とのタイム差を考えながら少しペースを緩め、後ろが油断したタイミングでさらに揺さぶりを掛けて3人から2人に減らす。そして最後は全力で駆け抜けゴール前2kmの地点で自ら仕掛け最後の1人を振り切る。あと少しでステージ優勝と、もしかしたら明日のリーダージャージだったのに。


でも、何よりも残念だったのがスカパーの実況の谷口さん?がヴォクレールの走りの本当の凄さを分らずに敗者と決め付けていることです。確かに今日の勝者であるステージ優勝はリクイガスの選手がさらいました。集団の中で終始足を温存していたとはいえ、最後のスプリントで勝負を賭けられるほど集団の前方にいたことは間違いなく実力だろうし、1kmを切った時点での単独スパートは勝負を読む目だったのでしょう。このステージ優勝した選手は確かに勝者です。
しかしゴール前1kmで力尽きて集団に吸収されたヴォクレール選手は敗者ではないく、今日一番健闘した選手です。勇敢に戦った選手とでも言うべきか。確かにステージは勝てなかったけれど、それでも常に自分からリスクを背負って仕掛けて、ゴール前1kmまで逃げ切り、集団に吸収されてからももがきながらステージ10位に食い込んでいるのです。今日の実況の方の言い方だと2位以降は全員敗者のようですが、そのような結果だけで済ますのならゴール前1kmのスプリント勝負をダイジェストで放送しているのと同じことです。そのゴール前に至るまでのレースの流れの中でどの選手がどれだけ頑張ったのかを伝えないと、ライブで2時間も中継している意味がない。実況の栗村さんは(ご自身の好みもあるでしょうが)ヴォクレール選手の健闘を称えようとしていたのに、実況の方が慣れないマトメでトンチンカンな受け答えをしているのが残念でした。


集団の中で力を溜めて、最後の最後で勝負を賭けて結果を出す選手は確かに勝者です。でも、優勝はできなかったとしても常に自らリスクを背負って仕掛け、勇気を持ってアタックした選手を称えないといけないと思います。勝算は少なくとも、自分から勝負を仕掛けることの大切さ。集団に吸収されるときに座して死を待つがごとく無抵抗で吸収されるのではなく、最後の最後まで自分を信じて走って戦った選手はもっと称えて欲しいと思います。
それにしても悔しいなぁ!